研究課題/領域番号 |
20K00604
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
鈴木 慎吾 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 准教授 (20513360)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 中国語上古音 / 詩経 / 押韻 / 先秦 / 中国語学 / 音韻史 / 上古音 |
研究開始時の研究の概要 |
中国語音韻史の中心課題の一つである、いわゆる上古音は、その後の時代に比べ資料が断片的かつ膨大であることもあって、従来様々な学説が立てられてきた。本課題はこれまでに用いられてきた資料や諸家再構音などをデータとして蓄積し、それらによって上古音の学術史を整理し、またそれを分かりやすく示すウェブサイトを構築することで、新しい研究基盤を創出することを目的とする。
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研究実績の概要 |
今回の課題の目的は、上古音研究の各種資料を整理することで、新たな研究のための基本インフラを構築することにある。具体的には以下の項目の実現を目指している。①上古押韻データベースの構築、②上古推定音データベースの構築、③対音・非漢語資料、出土資料データベースの構築。これらを相互に結びつけ、さらに構築済の中古音データベース群と連携させて、ウェブブラウザで分かりやすく検索・表示できるサイトを構築する。 今年度(2022年度)に予定していたタスクは、1) 両漢魏晋南北朝押韻データベースの構築、2) 上古推定音データベースの構築、であった。 1) 上古押韻データベースは当初先秦文献についてのみ予定していたが、兩漢以降の押韻もデータ化しておいた方が良かろうということになり、作業を継続している。2022年度は周祖謨の北齊まで完了している。目下、隋までの構築を目指して作業中である。現在までの成果は「諸家先秦兩漢魏晉南北朝韻譜韻讀」として公開している。https://suzukish.sakura.ne.jp/search/xianqin/index.php 2) の上古推定音データベースの構築については、前年度鄭張尚芳の音価を検索するサイトを構築したが、次は先に中古音のデータを拡充した方が良かろうということで、『集韻』のデータ化に着手している。これにより、『廣韻』が収録しない字音をカバーする見込みである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理由 1) 上古押韻データベースの構築:計画通り 2) 上古推定音データベースの構築:計画通り 1) 上古押韻データベースは予定していた先秦文献に続いて、北齊までのデータ化およびWebアプリケーションへの搭載についてほぼ完成させることができた。 2) の上古推定音については、鄭張尚芳の音価を検索するサイトを構築した後、それと対応させる相手として中古音資料の『集韻』のデータ化を進めている。進捗状況としてはまずまずと言える。
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今後の研究の推進方策 |
全体的に順調に進捗しているので、次年度は当初の予定通り、1) 先秦両漢魏晋南北朝押韻データベースの構築としては陳、隋の押韻についてデータ化を行い、2) 上古推定音データベースの構築については Karlgren、鄭張尚芳以外の音価について着手する。また 3) 諧声符データベースの構築に着手する。これまで通り、データと平行して検索システムの構築を行う。
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