研究課題/領域番号 |
20K00610
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
|
研究機関 | 筑波大学 (2021-2022) 東京国際大学 (2020) |
研究代表者 |
波多野 博顕 筑波大学, 人文社会系, 助教 (10709364)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 日本語学習者音声 / 韻律比較 / 音響分析 / クラスター分析 / 日本語アクセント / 機械学習 / 自動評価 / 韻律 / 音声評価 / 学習者音声 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、日本語の韻律、特にアクセントを対象に、機械学習の手法を用いて高精度な自動評価モデルを検討する。そのために、日本語母語話者・学習者の音声データを広く収集し、多様な音響特徴を精査・分析するとともに、複数の評価者によるアクセントの評価実験を行う。高精度な評価モデルの確立は、日本語音声教育における自律学習を支援するだけでなく、音声コーパスのマイニング・ツールとして活用されることも期待される。
|
研究実績の概要 |
2022年度は、学習者音声の韻律評価を行なう上で重要となる特徴について、音響的な観点から整理・検討を行なった。 日本語・中国語・韓国語・イタリア語・ロシア語の各母語話者14~23名による動詞一語からなる疑問・非疑問発話を対象に、前年度の成果であるモデリング方法を用いて発話全体のfoから少数の分析点を抽出した。それらの値を用いて階層的クラスター分析を行なうことで学習者音声の大局的な韻律特徴を類型化して捉えるとともに、日本語母語話者との比較を通して局所的な特徴を分析した。また、学習者については日本語学習年数に基づいた学習歴が、クラスター分類にどのように影響するかも検討した。 韻律クラスターの分析結果から、非疑問発話ではアクセント核が存在するものの、疑問発話ではアクセント核が消失するという学習者韻律の典型性が多くの学習者で母語に依らず明らかとなった。また、疑問発話において中国語と韓国語の母語話者では発話末母音の前半部でfoを日本語母語話者よりも低く抑える一方、イタリア語とロシア語の母語話者では次末母音を日本語母語話者より低く抑えるという特徴が示された。学習者の日本語学習歴との関連では、韻律クラスターの分類結果と学習者の日本語学習年数に有効な関連性は見られなかった。 これらの定量分析に基づいた結果から、学習者音声の韻律評価を自動で行なうには、母語によって判定モデルを調整した方が良い可能性が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
学習者音声の具体的かつ定量的な韻律分析を遂行することができたため。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度の研究成果に基づき、学習者音声に対してアクセント型の自動判定評価を行なう。また、本研究全体の結果を総括し、結果を論文にまとめる。
|