研究課題/領域番号 |
20K00612
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 放送大学 |
研究代表者 |
林 徹 放送大学, その他の部局, 副学長 (20173015)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | フォーリナー・トーク / 移民 / ドイツ語 / 言語接触 / 言語の簡略化 / 統合コース / リンガフランカ / トルコ語 / フォーリナートーク |
研究開始時の研究の概要 |
1960年代よりトルコ各地には多くのトルコ系移民コミュニテイが生まれた。本研究課題は、ベルリンにおけるトルコ系移民コミュニティを対象として、トルコ系移民のドイツ語およびトルコ語でのフォーリナー・トーク(簡略化された言語レジスタ,FT)を、移民背景のないドイツ語話者およびトルコ語話者のFTと較べることにより、移民が用いるFTの固有の特徴を割り出し、多様な言語使用が見られるトルコ系移民コミュニティを言語的に特徴づけることを目ざす。
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研究成果の概要 |
統合コースを受講するために多くの移民・難民が集まるベルリン・ノイキョルン地区のA校を一種の移民コミュニティと見立て、コミュニティの主要メンバーである講師のフォーリナー・トークが、A校コミュニティに後から加わった受講者たちに、どの程度共有されているのかを明らかにするため、講師と元受講者(スペイン、トルコ、ポーランド、カザフスタン、シリアの出身者各1名)とのインタビュー、A校講師へのアンケート等を実施した。収集したフォーリナー・トークの用例を分析した結果、フォーリナー・トークの特徴と考えられる語用論的に動機付けられた語順が、講師と元受講者の間でかなりの程度共有されていることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
移民コミュニティを言語的に特徴付ける試みは、その言語的多様性や複合性を強調して結論とすることが多かった。つまり、共通性がない点が共通するという、消極的な特徴付けに留まっていたと言える。本研究課題では、簡略化された言語レジスタであるフォーリナー・トークに注目することにより、これまで周辺的現象として扱われてきたフォーリナー・トークに、相手を同一コミュニティの成員として言語的に包摂する働きがある可能性を示唆するデータを示すことで、移民コミュニティの言語的特徴付けに新たな視点を提供した。
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