研究課題/領域番号 |
20K00615
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
折田 奈甫 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (70781459)
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研究分担者 |
高橋 大厚 東北大学, 国際文化研究科, 教授 (00272021)
酒井 弘 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50274030)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 心理言語学 / 項省略 / 言語獲得 / 人工言語 / コーパス言語学 / 人工言語実験 / 言語間比較 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本語などに観察される項省略に関して近年統語論で提案されている仮説の妥当性を、人工言語実験で検証する。日本語の空主語や空目的語とスペイン語の空主語の比較を通して「時制辞などの機能範疇との一致に関与する主語や目的語などの項は省略を受けることができない」という反一致仮説が提案されている (Saito 2007, Takahashi 2014)。これは、多くの言語で観察される空項の多様な特徴を一致と関係づけて説明する試みである。本研究は、日本語母語話者に一致を示す準日本語を、スペイン語母語話者に一致のない準スペイン語を学習させ、両話者がこれら人工言語の空項をどのように解釈するかを調査する。
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研究成果の概要 |
日本語などの言語に観察される項省略(主語や目的語を省略すること)の学習について、理論言語学で提案されている反一致仮説の妥当性を人工言語を用いた実験で検証した。日本語母語話者を対象に、人工的な一致がある準日本語(動詞と目的語の単数/複数で一致)と、一致がない準日本語(目的語の単数/複数のみ)のどちらかを学習させ、その後、それぞれの準日本語で省略された目的語をどのように解釈するかを調査した。実験結果から、日本語母語話者であっても一致の学習が空項の解釈に影響を与えることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの日本語の項省略に関する母語獲得研究では、子どもが大人のような解釈を「いつ」示すかに焦点が当てられてきたが、「どのように」この知識を学習するのかについては推測の域を出ていない。本研究の結果は、一致の有無が空項の性質の特定に関与する可能性を実証的に示唆するものである。インプットに現れない抽象的な言語知識を子どもがどのように学習するのかについて、より具体的な学習過程を検討するための足がかりとなる。
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