研究課題/領域番号 |
20K00617
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
石部 尚登 日本大学, 理工学部, 准教授 (70579127)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 言語要件 / 移民政策 / ベルギー / 市民化 / 統合政策 / 連邦構成体 / 言語政策 / 市民化政策 / 言語統合 / 言語テスト |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ベルギーの移民政策の言語政策的側面を明らかにすることを目的とする。移民(統合)政策のなかでとりわけ言語要件に焦点を当てる点、および各政策主体間の影響関係に着目し、これまで制度的・感情的に困難とされてきた政策の共通化の流れが存在することを示そうとする点に、本研究の学術的独自性がある。また、本研究は、移民政策における言語要件の利用についての包括的な国際比較研究へと展開する可能性を有し、日本での「移民」政策の議論にも言語面での参照事例を提供すると期待される。
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研究成果の概要 |
ヨーロッパ諸国の移民(統合)政策において、言語要件の「常態化」と「厳格化」という共通のトレンドが存在することを確認した。また、連邦国家であるベルギーでは、政策主体が複数併存するという制度的特徴のために、言語要件の導入は近隣諸国と比較して遅れをみたが、一度ひとつの政策主体が言語要件の利用を開始すると,他の政策主体もそれに追随する(せざるを得ない)状況が発生し,国内全域で制度整備が急速に進展したことを示した。権限上の制度的制限があるために政策の個別化が進むのではなく,そうした制限があるからこそ各政策主体間で政策の近接化や共通化が実現したという一種の逆説的な流れを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はベルギーの移民(統合)政策における言語政策に焦点を当てるものではあるが,その前提としてヨーロッパ諸国の移民(統合)政策の共通トレンドの存在に目を向けている。移民選別のための合法的手段として「言語」の利用も指摘されるなかで,本研究の成果を基に,移民政策における言語要件の利用についての包括的な国際比較研究への展開が期待される。それはまた,日本における「移民」政策の議論に言語的な側面から参照可能な事例を提供することになるという意義も有する。
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