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オビ川下流域のウラル系少数民族の言語使用実態の研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K00622
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02060:言語学関連
研究機関神戸市外国語大学 (2021-2023)
関西国際大学 (2020)

研究代表者

松本 亮  神戸市外国語大学, 外国学研究所, 客員研究員 (30745857)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワードシベリア諸言語 / フィールド言語学 / 言語類型論 / 存在文 / シベリア少数民族 / 記述言語学 / 少数民族言語 / 言語学 / 文法記述 / フィールド調査 / シベリア
研究開始時の研究の概要

本研究課題は、ネネツ語及びそれとより密接に接触しているハンティ語を研究対象に含み、オビ川下流域の言語接触の状況について調査、考察することを目的とする。ネネツ語とハンティ語での初級文法書と辞書の作成を目的に、文法記述をフィールドワークで行い、またテキストとして民族的象徴である文学者による作品を取り上げる。そこから見る方言的特徴や語彙などの言語学的視点のみならず、文化背景や民族間接触の歴史など考察する。また、サレハルドやヤマル地方のネネツとハンティが混成して居住、生業を行う状況について、地図を利用して実地調査し、社会言語学的、言語類型論的考察を論考としてまとめる。

研究実績の概要

海外への渡航がほぼコロナウイルス感染症の発生以前になったものの、長引くロシアの戦争体制にロシアへの渡航は絶望的となった一年だった。そのような中で、学会や研究会も対面で行われるようになり、ロシアを調査地とする研究者との意見交換がよくできた点は挙げられる。およそロシアへ渡航しての対面調査は、少なくとも戦争が終結しロシアが国際社会に復帰するまでは不可能であるとの認識で一致したと言える。可能なものは、ロシアの研究者やインフォーマントをロシア国外の第3国へ呼び寄せる方法、インターネットのビデオトークやSNSを使用する方法がある。しかし私自身の場合は、ロシアの協力者の方々と連絡をとっておおらず、心理的にも以前のような関係を継続することは不可能であるため、研究方法は手持ちの資料を使うことしかない。
発表では、類型論的にシベリア、ユーラシアの諸言語における存在文の対照した。存在するか否かと表す存在文、存在することは前提としてどこにあるのかを表す所在文とするとネネツ語はこの両者を区別した動詞を用いる。シベリアでは少数派であるが、広い範囲では決して少数はないとわかる。区別基準の詳細は言語ごとに異なり、一般化はまだできていないが、今後も続けていきたい。また、ネネツ語の動詞の時間概念について論文をまとめた(forthcoming)。時制的にはニュートラルである”不定時制”と呼べる無標の活用がある一方で、過去は接辞を動詞の最後につけることで表現される。人称接辞よりも後ろにつく点で後接辞的振る舞いが特徴的で、テンスの活用と呼べるかは疑問の残る体系であることが指摘できた。今後はこれら個別テーマの分析を続けるとともに、辞書の和訳を通して簡易的なデータベース化を進めたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年度までのほとんど動けない時間は過ぎたため研究交流が進み、発表機会も生じたことから具体的な活動が開始できた。一方で、当初の目的は達成できないことからたの目標を設定することが確定できずにいるため遅れていることには変わりない。一年延長したので、当該研究計画に近づけられるような新たな目標を決めて進めていきたい。

今後の研究の推進方策

ロシア現地への渡航、インフォーマントとネットを通した調査が不可能なので、手持ちの資料を駆使して進めたい。ロシアで出版されているネネツ語の辞書を和訳して、さらに独自の注釈などを加えることでデータの整理を進める。時間的に進められれな、ネネツ語で書かれた民話(フォークロア)の和訳をまず整理したい。そしてネネツ語原文の形態素分析をデータ化することを目指す。残り期間は1年なので、ハンティ語まで広げられるかは不定であるが、繋げられるような資料整理を行いたい。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (13件)

すべて 2024 2023 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (10件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] ウラル諸語の文法書について2022

    • 著者名/発表者名
      松本亮
    • 雑誌名

      『参照文法書研究』(アジア・アフリカ言語文化研究)

      巻: 別冊 ページ: 201-211

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] ウラル諸語における存在文と所在文と所有の表現2024

    • 著者名/発表者名
      松本亮
    • 学会等名
      2023年度ユーラシア言語研究コンソーシアム年次総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ネネツ語における存在文とその類型化への試み2023

    • 著者名/発表者名
      松本亮
    • 学会等名
      日本シベリア学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ネネツ語とハンティ語における数について-特に双数についての整理2022

    • 著者名/発表者名
      松本亮
    • 学会等名
      2022年度ユーラシア言語研究コンソーシアム年次総会、京都大学文学研究科附属ユーラシア文化研究センター(羽田記念館)
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] ネネツ語における進行progressivewお表すアスペクトについて2022

    • 著者名/発表者名
      松本亮
    • 学会等名
      2021年度ユーラシア言語研究コンソーシアム年次総会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] エヴェンキ語の形態音韻論的交替2021

    • 著者名/発表者名
      松本亮
    • 学会等名
      シベリア先住民諸言語の歴史と類型」科研(代表:江畑冬生(新潟大学))第1回研究
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] ネネツ語の文法と時間2021

    • 著者名/発表者名
      松本亮
    • 学会等名
      第10回時間言語フォーラム
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] エヴェンキ語の定性と人称接辞2021

    • 著者名/発表者名
      松本 亮
    • 学会等名
      2020年度第3回「「アルタイ型」言語に関する類型的研究(2)」共同利用・共同研究 課題研究会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] ハンティ語の動詞前接辞についての問題点整理2021

    • 著者名/発表者名
      松本 亮
    • 学会等名
      2020年度ユーラシア言語研究コンソーシアム年次総会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] Grammatical Relations in Tungusic and Uralic2021

    • 著者名/発表者名
      Ryo Matsumoto
    • 学会等名
      2020年度第2回「アジア・アフリカ地理言語学研究」共同利用・共同研究課題 研究会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] Types of Manner of Articulation in Tungusic and Uralic Consonantal Systems2020

    • 著者名/発表者名
      Ryo Matsumoto
    • 学会等名
      Studies in Asian and African Geolinguistics
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] 北極域の研究 その現状と将来構想2024

    • 著者名/発表者名
      北極環境研究コンソーシアム長期構想編集委員会編
    • 総ページ数
      4
    • 出版者
      海文堂
    • ISBN
      9784303562304
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] Linguistic Atlas of Asia2021

    • 著者名/発表者名
      eds. M. Endo, M. Minegishi, S. Shirai, H. Suzuki, K. Kurabe
    • 総ページ数
      367
    • 出版者
      ひつじ書房
    • ISBN
      9784823410741
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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