研究課題/領域番号 |
20K00625
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
今村 圭介 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (00732679)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 英語借用語 / 借用 / 言語接触 / データベース / 対照研究 / 英語借用(語) / 言語変化 / 外来語 / 借用語 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、国際プロジェクトの一環として多言語で統一した基準に基づいて日本語における英語借用データベースを作成する。データベースに基づき、英語借用を、タイプ別、品詞別、頻度別に集計し、量的な多言語比較を行う。同時に、英語借用全体の類型化を行い、日本語の中の英語借用の個別性と普遍性を記述する。比較可能なデータによる多言語比較という新しい観点により、英語の日本語に対する影響を相対的に測ることができ、更にはグローバル化が進む現代における日本語の現状について理解を進めることができる。
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研究実績の概要 |
本年度は、主に英語借用の多言語データベース(GLADデータベース)の修正作業と、韓国語との対照研究に着手した。まず、GLADデータベースの修正作業に関しては、昨年度までの共同研究において、明らかになった言語間の不一致を解消する目的で行った。日本語に関しては、unadaptedとadaptedのカテゴリー分け、pseudo-Anglicismのカテゴリーの再検討、低頻度語の削除などを行った。また、韓国語のデータのすり合わせを行うため、韓国語データの作成者を招聘し、各語のカテゴリー分けや、データベースの入力方法に差異がないかを確認した。一部のカテゴリー分けの不一致や入力基準に合致しない語、入力語数に影響する入力の差異などが見つかったため、その解消に努めた。さらに他言でのデータベース作成者との間でもオンラインの会議を重ね、差異の解消に努めた。 また、同時に、英語借用の比較を始めるために、データベースを用いた対照研究を始めた。韓国語のデータの更新作業と同時に、量的比較として、1) 借用の総数、2) 品詞別の数、3)借用タイプ別の数、4)基礎語彙における日本語を比較を始めた。また、借用のされやすさ(borrowability)の階層に基づき、品詞別の借用の数を集計し、比較することも始め、英語からの影響の強さの比較記述を進めている。さらに、データベースのデータを用いた多言語比較の観点から、日本語におけるpseudo-Anglicismの分析も進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルスの影響から、対面でのミーティングを全く行うことができなかったため、多言語間比較を可能にするための、各言語間での入力の細かな調整を十分に行うことができなかった。オンラインにおける会議を引き続き行ったが、参加者(言語数)が多いことと、時差の問題があるため、合意に至ることができていない点が多々残っている。そのため、計画当初、2021年度までに終わる予定であったデータベースの完成が遅れており、2022年度から予定していた多言語比較にまだ本格的に着手ができていないのが現状である。
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今後の研究の推進方策 |
まず、対面で行うデータベース作成者間の会議が急務である。報告書実施時にはすでに実施済みであるが、Jagillonian University にて行われるApril Conference fifteen: Humanitiesにおいて研究発表を行うとともに、データベース作成者間の会議を行い、多言語比較を可能にするためのデータベースのすり合わせについて議論を行う。特にヨーロッパ言語の参加者が多く、すり合わせに時間がかかるため、継続した議論をオンライン、対面を含めて行っていく予定である。 一方、可能な限り多言語比較も進めていく。まず本年度着手し始めた韓国語の対照研究を進める今年度始めた、韓国語との比較を進め、秋頃に研究成果の一部を学会で発表し、さらなる研究の進展のためのフィードバックを得る。同時に中国語との比較も始めるために、中国語、広東語のデータベース作成者を招聘することを予定している。対面のミーティングを行うことで、連携が進み、より比較を正確にできるようになると考えている。
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