研究課題/領域番号 |
20K00629
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
金 銀珠 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60547496)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 主語表示 / 無助詞 / 構造変化 / 準体法 / 連体形述語 / 終止形述語 / 主語表示形態 / 準体法の変化 / 準体節と連体節 / 区切り構造 / 準体法の衰退 / 連体節 / 「の」 / 「が」 / 主語 / 助詞「が」 / 連体修飾 / 新情報 / 述語 / 行為連鎖 / 歴史統語論 / 主語表示体系 / 歴史的共時態 |
研究開始時の研究の概要 |
例えば「時間がある」という表現は平安時代の日本語では「時間Фあり」「時間のある」「時間がある」のように無助詞や「の」「が」を主語表示形態として取って表される可能性がある。現代語の主要な主格助詞は「が」であるが,古代の日本語では「の」や無助詞がよりよく用いられていたことが知られている。ここから,日本語主語表示体系はどのような変化を経て,現代語のようなシステムになったのかという疑問が浮かび上がる。本研究では上代~近代の各時代における主語表示形態を決定する文法的条件と各形態間の相関関係を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では,無助詞と「の」と「が」による日本語主語表示体系の歴史的展開について統語的な側面の構造面に注目しながら明らかにした。日本語主語表示形態の歴史的展開は「の」と「が」ではなく,無助詞と「が」の競り合いが目立つ点をデータ分析によって明らかにし,「星が丘」のような連体格助詞として使われることが多かった「が」が,主語表示形態(雨が降る)として無助詞を超えて勢力拡大出来たのは,無助詞より構造が小さく,文中に主語の係先の区切りを作ることが主な要因であったことも明らかにした。この解明の過程で,連体形終止の一般化および準体法の衰退に関しても,新たな展開と展望を示すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本語主語表示体系の史的変遷について,従来の研究では「の」と「が」の比較が主に行われており,また古代語から現代語までの変化を通観した論はなかった。本研究により三 形態の構造面の歴史的変化の様相およびその関わり合いが明らかになった点は,大きな成果と言える。この過程で,日本語の主要な史的変化の一つである連体形終止を形態ではなく,「構造変化」の観点から「連体形述語」の構造の一般化として捉えたことは,今後の史的変遷の研究おいて新たな視点と展望を提示したものと言える。
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