研究課題/領域番号 |
20K00633
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 尾道市立大学 |
研究代表者 |
藤本 真理子 尾道市立大学, 芸術文化学部, 准教授 (10736276)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 方言 / 日本語史 / 語彙 / 文法 / 文献言語学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、地域に住む若年層および中高年層にとっての「方言」とは何かを明らかにするとともに、地域住民のもつ方言意識がどのように資料上に残されるのかという、方言意識と資料への記録の残りやすさとの関連性を探ろうとするものである。この研究により、人々の方言意識がどのように資料に反映されるかを明らかにする。この成果は、文献言語学の面からは、これまで歴史的な文献資料として確認される方言資料群や各地で作成された多数の方言書の記録内容をどのように評価すべきかという問題に応用できる。また社会言語学の面からは、地域社会における、個々人のアイデンティティを支える資源の一つとしての言葉の側面をとらえることになる。
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研究実績の概要 |
本研究は、兵庫県丹波篠山市の高等学校生徒らによって作成された方言教材をもとに、面談調査、市史類の記録を通して、地域に住む若年層および中高年層にとっての「方言」とは何かを明らかにするとともに、地域住民のもつ方言意識がどのように資料上に残されるのかという、方言意識と資料への記録の残りやすさとの関連性を探ろうとするものである。 本研究の目的にしたがって、[1]西日本地域に住む若年層および中高年層にとっての「方言」とは何か。[2]資料として記録に残りやすいものは何か。地域内・地域外の住民のもつ方言意識との関連性を探る。 [1]のうち、兵庫県丹波篠山市での調査が現段階で残しているところである。出張および調査が可能になるまでの時期に、資料集めなど予備的段階が続いていた。そのため、先行して2022年度は、この篠山方言の若者の捉え方について、2019年度の調査をもとに[2]の調査状況と比較しながら、研究会にて報告を行った。また、〈方言意識と資料への記録の残りやすさ〉に地域性が関わるかどうかという点についても考察しているところである。 [2]については、[1]と関連の中で、2021年度に整理した広島県尾道市三成地区の地域資料『三訪会会報』に掲載された方言談話について、文法記述の面から考察を行った。尾道市の近隣の地域である三原市方言についてすでに先行する研究成果があり、形容動詞の活用を中心に、比較を行った。これについては、研究発表を行い、論文化した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高齢の方を対象とした調査が、困難な状況が続いていた。文献調査、資料収集について進めることにより、次年度に調査を行うための準備を整えた。 また、記述から見えてきた文法的な特徴についても、研究会での発表、論文化を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度もまだ調査の申し入れが困難状況であった。そのため、兵庫県丹波篠山市での調査については、2019年度までの研究で方向性を示していた点をもとに論文化していく予定である。 引き続き、文献資料調査と資料収集で多くの面を補うことになる。また、若年層・高年層とも連絡と調整のつきやすい地点での調査を並行して進めることとする。 2023年度には、前年度から進めている各地域の方言書の収集、収録語の傾向把握については、普遍性の指摘にとどまらず、地域性や特有の事情がどのように反映されているかについての考察している点を論文化していく。
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