研究課題/領域番号 |
20K00635
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 成城大学 |
研究代表者 |
陳 力衛 成城大学, 経済学部, 教授 (60269470)
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研究分担者 |
木村 一 東洋大学, 文学部, 教授 (90318303)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 蘭学 / ドゥーフ・ハルマ / ローマ字本 / 蘭和辞書 / ホフマン / シーボルト / フィッセル / メドハースト / ヅーフハルマ / フェッセル / 長崎ハルマ / ローマ字 |
研究開始時の研究の概要 |
同じ底本による『波留麻和解(江戸ハルマ)』と『ドゥーフ・ハルマ(長崎ハルマ)』は江戸時代に著された蘭和辞書で、それぞれ『訳鍵』と『和蘭字彙』として刊行される。中でも『長崎ハルマ』のローマ字本は欧州へ流布し,日本語学習辞書や他言語対訳辞書として改編が行われている。 そこで、欧州に存する四つのローマ字本を対象に、幕末における「近代知」の流入とともに日本語がどのように捉えられていたのかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
J. F. van. O. フィッセルがオランダへの帰路の途中,中国との中継地点でもあるバタビヤでW. H. メドハーストに,蘭和辞書「長崎ハルマ」のローマ字本(帰国後,オランダ国王に献上)を書写させていることを明確にした。さらに,イギリス,オランダ,フランスで所蔵されるローマ字本が,必要に応じて表記方法などに改編が加えられていることを検証した。中国語訳を付し三ヵ国語の対訳辞書へと進化を果たしたものもあり,諸言語の対訳辞書として,さらには日本語学習辞書としての役割を担っていたことを解明した。あわせて,19世紀における日本への「近代知」の流入経路,また欧州での日本語の分析の状況を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
欧州へ流布した蘭和辞書「長崎ハルマ」のローマ字本の足跡をたどることは,日本語がどのように欧州で受容され,さらには展開していったのかということに深くつながっている。ローマ字本は当時の日本語を克明に書き留めているため、流布した先々で用途に応じて改編されている(現代日本語の形成の指標ともなる資料群である)。グローバルな視点からは,蘭日対訳を通した「日本知」がオランダだけでなく、メドハーストにも受け継がれ、英語の世界へも知れ渡るようになる。また、シーボルトによる中国語訳の追加の試みから分かるように、本研究は,日本語学はもとより諸言語,さらには文化交流史をはじめとした歴史分野にも資するものである。
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