研究課題/領域番号 |
20K00636
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 立命館大学 (2021-2023) 東洋大学 (2020) |
研究代表者 |
岡崎 友子 立命館大学, 文学部, 教授 (10379216)
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研究分担者 |
小林 雄一郎 日本大学, 生産工学部, 准教授 (00725666)
松田 真希子 東京都立大学, 人文科学研究科, 教授 (10361932)
竹内 史郎 成城大学, 文芸学部, 准教授 (70455947)
堤 良一 岡山大学, 社会文化科学学域, 准教授 (80325068)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 指示詞 / 指示領域 / コソア / 評価的意味 / 現場指示 / 統計 / 古代語 / 現代語 / 日本語 / 歴史的研究 / 対照研究 / 統計処理 / 文法史研究 / コーパス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は次の1)から3)により、古代・現代日本語の指示体系・歴史的変化を明らかにしていく。 1)大量の電子データであるコーパス(「日本語歴史コーパス」「現代日本語書き言葉均衡コーパス」等、国立国語研究所)を用いて、古代(奈良時代)から現代までの指示詞の例を収集し分析する、2)被験者を教室等に集め、指示対象物が点灯する装置等を使い、どのような指示行動を行うかを調査し分析する、3)長い蓄積がある日本語指示詞の先行研究の成果と、本研究の分析を比較し、検証を行っていく。 なお、収集したデータについては統計処理を行う。さらに、明らかとなった指示体系については、外国語との対照研究も行う。
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研究実績の概要 |
2023年度は本研究の課題の一つ「フィールドワークによる調査・分析」の準備期間とした。 本研究の事業期間は当初よりコロナ禍にあったため「文献調査による調査・分析」を主として進め、その業績をあげてきた。本年度はもう一つの課題である「フィールドワークによる調査・分析」を行うため、調査方法の調整・試行を行った。この課題は岡﨑友子(2020)「現代日本語の指示詞コソアの指示領域」『文学論藻』94号の調査・分析に端を発する。当研究の分析結果は、コソアの使用は、従来考えられてきた距離のみでなく、指示対象に対する話者の感情からも変わるのではないかという疑問点を示唆していた(好ましくない対象はコ系(ココ等)の範囲内であっても、ソ系(ソコ等)で指示を行う)。そこで、この疑問点をより明確に明らかにすべく調査を行うこととした。そして、岡﨑(2020)の調査方法を修正しながら、何度か現場で試行した。次年度は、2023年度で完成させた調査方法により、フィールドワークを行う予定である。 また、「話者の感情によるもの」は他の言語表現にも見出せる。これは近年、注目される概念であり「評価的意味」とされる。「評価的意味」はもともと感情を表さなかった言語表現が、話者の不快感等を表すようになる現象である(例「そんな本、要らない!」の「そんな」)。これらの現象は指示詞だけではなく、他の言語表現にも多く見出だせる。本研究が対象とする指示詞における「評価的意味」を本質的に解明するには、そのような「評価的意味」がなぜ生じるのか、他の言語表現も併せて分析する必要があると考え、調査・分析を行った。これについては同じく「評価的意味」を表す副詞・接続詞の「また」を調査・分析し、論文にまとめ公刊を行った(岡﨑友子(2023)「現代・古代語の「また」-評価的意味に注目して―」『論究日本文學』118号、立命館大学日本文学会、1-12)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年から始まった本研究課題期間はコロナ禍にあり、移動等を伴わない文献による調査・分析は進んだが、フィールドワークは制限があり、進まなかった。 2023年度では、およそ行動制限がなくなったため、フィールドワークを行う予定であったが、準備した調査方法で試行してみたところ、設定に様々な問題点が浮かび上がった。そこで、2023年度は調査方法のブラッシュアップを行った。本研究課題は昨年度で終了する予定であったが、1年間の延長を申し出る形となった。来年度の2024年度は、修正した調査方法でフィールドワークを行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は最終年度であり、予定していたフィールドワークを行う。また、「評価的意味」も明らかにするため、現代・古代語の文献による調査・分析も継続して行っていく。なお、研究成果は、学会・研究会でも発表を行い、ひろく意見を求めていく。
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