研究課題/領域番号 |
20K00644
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
|
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
橋本 慎吾 岐阜大学, グローカル推進機構, 教授 (20293582)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 日本語教育 / 音声教育 |
研究開始時の研究の概要 |
日本語教育では、単音やアクセント等の言語情報音声の教育が中心的であるが、音声コミュニケーションにおいては、態度や感情を表すパラ言語情報も重要であり、その教育は従来の言語情報音声の教育とは異なる方法で行なう必要があると考える。本研究は、その方法の手がかりを、演劇の稽古プロセスになぞらえた「会話のやり取りに対する外部による適切性判断に基づく調整」に求め、学習者が日本語母語話者と共に会話文を練習するプロセスを分析し、パラ言語情報の調整がどのようになされ、どのようなプロセスが適切なパラ言語情報の実現に達するのかを考察する。
|
研究実績の概要 |
本研究は日本語音声におけるパラ言語情報教育プロセスに関する研究であり、態度や感情を表すパラ言語情報の教育は従来の言語情報音声の教育とは異なる方法で行なう必要があると考え、その方法の手がかりを、演劇の稽古プロセスになぞらえた「会話のやり取りに対する外部による適切性判断に基づく調整」に求め、学習者が日本語母語話者と共に会話文を練習するプロセスを分析することにより、パラ言語情報の調整がどのようになされ、どのようなプロセスが適切なパラ言語情報の実現に達するのかを考察するというものである。 「会話のやり取りに対する外部による適切性判断に基づく調整」は、本研究者が勤務校で実施している日本人学生と留学生の合同授業において行っている活動において行われている。3~4名のグループを作り、1名(日本人学生)が「会話を作る人」(=演出)となり、会話文を日本人学生と留学生、あるいは留学生同士で練習し、発表するという活動を行なっている。方法は、同じ言葉(例えば「え、そうなんですか」)が会話の流れや話者間の関係、感情などによって異なる言い方になる2つの会話文を作成する。その2つの会話文を練習し、発表するというものである。 本研究はまずこの活動において、「演出」がどのような練習を行なっているのか、具体的な練習プロセスを全て録音して分析することにより、日本語話者である演出がどのような側面に気づき、どのように自然な会話に近づける練習を行なったかを分析することを計画していた。 しかし令和3年度、令和4年度はコロナ禍の影響で、授業は開講できたものの、研究対象である会話文練習活動に参加する留学生が非常に少なく、十分な数の練習プロセスを得ることができなかった。令和5年度は留学生数がコロナ禍以前に近くなり、練習プロセスを得ることができたが、ようやくデータが集まったというところで、分析を十分進めることができなかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は留学生に対する日本語発音教育に関する研究であり、令和2年度は勤務校で開講している授業での活動を対象として研究を進める計画であった。 「演出課題における練習プロセスを録音・分析することから研究を進めていく計画」同じ言葉(例えば「え、そうなんですか」)を含む2つの会話文を作成し、日本人学生が演出をし、会話文を発表するという活動である。この活動において、演出はどのような点に練習のポイントを見出し、どのような練習を行なっているのか、具体的な練習プロセスを全て録音して分析する計画であった。 例年は各学期最低1回の活動を行うことができたが、令和3年度、令和4年度はコロナ禍の影響で研究対象である会話文練習活動に参加する留学生が非常に少なく、十分な数の練習プロセスを得ることができなかった。令和5年度は留学生数がコロナ禍以前に近くなり、練習プロセスを得ることができたが、ようやくデータが集まったというところで、分析を十分進めることができなかった。令和6年度には分析をまとめたいと考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
令和2年度はコロナ禍の影響で研究対象とする授業を開講することができず、令和3年度、令和4年度は授業は開講できたが参加する留学生がほとんどいなかった。 令和5年度は状況が改善し、受講する留学生が増え、この授業での活動を実施し、データを集めることができたので、令和6年度に分析を進め、まとめることとする。また令和3年度の当初計画で実施を予定していた「会話作成課題を、授業ではない形で実施し、分析する」ことを年度後半に実施し、一応のまとめとする予定である。
|