研究課題/領域番号 |
20K00650
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
高橋 圭子 東洋大学, 人間科学総合研究所, 客員研究員 (60865814)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 歴史社会語用論 / 語用論的標識 / 漢語 / 漢字文化圏 / 「結果」 / 「勿論」 / 「無理」 / 「正直」 / 「大体」 / 「瞬間」 / 「真に」 / 「其実」 / 「反面」 / 「可能」 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、歴史社会語用論の主要なテーマの一つである語用論的標識の歴史的発達について、漢語に焦点をあてて考察する。特に、中国・韓国・日本の漢字文化圏において共通する形式の漢語の意味・用法の変化を比較対照する。そして、構文化理論を援用して議論の精緻化を図り、言語変化の通言語的側面と個別言語的側面を探究する。 日本語の語用論的標識の先行研究は、和語由来の表現の共時的記述に成果をあげている。本研究は漢語を対象として歴史的・対照言語学的観点を取り入れることにより当該研究分野の更なる発展に寄与することを目指す。中国・韓国の研究者との協力体制のもと、国際学会における積極的な発表と意見交換を進めていく。
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研究成果の概要 |
漢字文化圏における漢語の語用論的標識の発達の歴史を、日本語を中心に探究した。日中韓の共同研究の一環として、国際学術誌East Asian Pragmaticsに「其(の)実」についての論文が掲載された。また、出版社BrillによるStudies in Pragmaticsシリーズの1冊として、漢字文化圏における漢語の語用論的発達をめぐる国際共同論文集の企画が採択され、「結果」「勿論」「大体」についての研究をまとめた。さらに、日本語の「無理」の断りの反応表現の用法やプラスの意味の感嘆用法、「正直」の名詞から副詞への機能・用法の拡張を探究した。和語化に伴う配慮表現との関わりも探究した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
歴史社会語用論は新しい研究分野であり、コーパス言語学の目覚ましい進展などに基づく新たな研究成果が大いに期待されている。また、漢語は、日本語において大きな比重を占めるだけでなく、漢字文化圏という個別言語を超える枠組みにおいて、言語の普遍性と特殊性の探究を可能にする。本研究はその一端を担い、漢語由来の語用論的標識の発達の歴史を探究し、日中韓の異同を明らかにすることで、言語変化の特質の解明に寄与し、学術的・社会的に貢献し得るものである。
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