研究課題/領域番号 |
20K00652
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
木下 りか 武庫川女子大学, 文学部, 教授 (50314026)
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研究分担者 |
野田 大志 愛知学院大学, 教養部, 准教授 (10616494)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 多義動詞 / 多義 / 文体 / 連語 / 構文 / 語義 / 古い文体 / 共起制約 / 多義ネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、多義動詞の複数の語義のうち、使用上の制約が強い語義、すなわち、いわゆる古い文体の中で使われるというテクストレベルの制約を受ける語義(「古い文体の語義」)と、文・語句レベルの制約の強い語義(「共起制約の強い語義」)とを考察対象とし、「古い文体の語義」が使用されるテクストの特徴と、「共起制約の強い語義」における共起パターンそれ自体が担う意味とを記述する。その上で、多義動詞の他の語義との関連性について考察を行い、これらの語義を多義ネットワークの中に位置付ける。
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研究実績の概要 |
本研究は、多義動詞の中から周辺的な語義(「古い文体」をもつと考えられる語義や共起制約の強い語義)を抽出し、その語義が当該の多義動詞の中にどのように位置づけられるのか、考察を行うことを目的としている。「古い文体」の語義は、多義語の複数の意味の中である種の中心性を担う可能性があり、共起制約の強い語義は、このように言える複数の語義に共通する使用パターンと、各々の語が担う意味とを分けて記述することで、当該語義の多義語の中での位置づけが明確にできる可能性がある。 前者の「古い文体」をもつと考えられる語義に関しては、言語直観に基づいてリスト化した語義に、「古い」「雅語」等々の位相に関する注記を参考に辞書から抽出した数語を加えた。また、このようにして整理された「古い文体」の語義は、いずれも具体的な動きを表すものであることが確認された。よって、これら「古い文体」の語義は、共時的な「意味拡張の起点」という意味で多義の中心を担っている可能性が高く、また、多義語の「直観的プロトタイプ」としての中心を担う語義は他にある可能性がきわめて高い。 後者の「共起制約の強い語義」については、まず昨年度に引き続き、「共起制約」の反映としての「構文」や「連語」の理論的位置づけをめぐる諸説の整理・検討を行った。加えて、当該の語義を有する動詞を含む複合辞に関して、主に「する」と「いう」、それぞれを含む事例を、国立国語研究所(2001)「現代語複合辞用例集」や諸々の先行研究も参照しつつ、抽出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究開始の年と重なったコロナの影響が長引いており、遅れを取り戻せない状況が続いている。ただし、研究は着実に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
計画的に、共同研究者と研究会を行うことで研究を推進する。「古い文体」の語義については、「古い文体」として抽出された語義の中から数語を選択し、これらの語義が実際に「古い文体」をもつと言えること、かつ「直観的プロトタイプ」ではないことを言語データに基づいて検証する。 「共起制約の強い語義」については、主に「する」と「いう」、それぞれの周辺的語義を構成要素として含む複合辞を主な対象として、複合辞全体の意味と、動詞単独の語義との相互関係に関する分析、記述を進める。この中で、共起制約のありよう(の多様性)を具体的に明らかにしていく。
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