研究課題/領域番号 |
20K00659
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02080:英語学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
藤原 保明 筑波大学, 人文社会系(名誉教授), 名誉教授 (30040067)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 閉音節の形成と機能 / 母音連続の回避 / 共時的・通時的音韻研究 / 強勢の配置と機能 / 語末のあいまい母位の消失と黙字の成立 / 出わたりの機能 / 在来語と外来語の区別 / 英語の音変化 / 開音節と閉音節 / 母音連続 / わたり音の機能 / あいまい母音 / 閉音節化 / 音質 / 音変化のメカニズム / わたり音 / 通時的音変化 / 英語 / 綴り字 / 日本語 / 詩の韻律 / 音韻論 / 共時的研究 / 通時的研究 |
研究開始時の研究の概要 |
英語の sea, two などの長母音の後半部分 (= [:]) と day, cow などの二重母音の第二要素 (= [i, u]) は、year や wood の語頭の [j, w] と同様、子音の機能を果たすので、音韻的にはいずれも子音の /j, w/ とみなせる。それゆえ、これらの語は閉音節で終わることになるが、sea, two, cow などの語はかつては母音で終わっていたので、閉音節化は通時的音変化に基づくに違いない。そこで、本研究では、このような通時的音変化は英語のリズムや単語の音量を決定する単位としての音節形成に不可欠な過程であったと仮定し、その妥当性を通時的・共時的観点から検証する。
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研究成果の概要 |
英語音の共時的・通時的分析の前提として、語末の母音が中英語期に弱化と消失を経た語彙を在来語、それ以降に借用されたものを外来語と類別し、出わたりの[i, u]と二重母音の第2構成素の[i, u]を子音の機能を担う/j, w/とみなし、長母音の後半の[:]も子音の/h/と規定した。その上で、英語の在来語を共時的・通時的に分析した結果、在来語の母音連続はすべて子音で終わる閉音節で回避され、音節の境界は画定し、強勢の位置も移動しないので、閉音節化は中英語期以降の語末の弱化母音の消失、新しい二重母音の形成、大母音推移などの通時的母音変化の原因であるという結論を導き出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
閉音節化は英語の音韻研究ではあまり注目されてこなかったが、英語の母音連続が子音によって分断され、音節が閉ざされる閉音節化は頻繁に生じるので、子音・母音という分節音以外のわたり音の [i, u] も長母音の後半部分の[:] も子音の機能を担う/j, w, h/とみなすと、従来の英語音韻論の記述、英語の通時的音変化の仕組み、中英語期以降の通時的音変化の原因も見直す必要があり、学界に与える影響は大きい。
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