研究課題/領域番号 |
20K00660
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02080:英語学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡邉 明 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (70265487)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 程度の全称量化 / 不定語 / 最小量表現 / 数詞 / 全称量化 / 程度表現の言語間変異 / 程度表現 / サイズ / 量 |
研究開始時の研究の概要 |
日英語の程度修飾構造の包括的分析を目指す。特に、英語では見られない「だけ」や「くらい」などの小辞が日本語で出現する事実や、WH疑問文や感嘆文での程度修飾のふるまいに着目し、あらたな角度から程度修飾の構造と意味を解明することを試みる。さらに、量に関する程度とそうではない程度の区別に着目し、程度の意味を内在的に有している量に関する名詞と、量の意味は持たないものの意味的に程度との関連がある名詞に特有の性格をあぶり出す。また、いわゆる小節の構造において、程度修飾表現が出現するとされるDegPと主語との構造関係がどうなっているかにメスを入れる。
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研究実績の概要 |
昨年度草稿をまとめた最小量表現に関する研究について、最小量述語が程度修飾語を伴わないで使われる時に主部名詞が指し示す個体が存在しないというニュアンスが生じうる原因の分析を改訂した。ポイントは、最小量述語のスケールの上限がそもそも存在の否定を意味するという性質を活用するところにあり、前年度執筆の草稿では、この最小量述語の特性が生かされていなかった。本年度の改稿をもって、この論文に関しては最終稿となり、出版時期は確定していないが、遅くとも本研究課題の最終年度内には活字になると思われる。 数詞関連でも、昨年度草稿をまとめた数詞形態についての研究から派生して、類別詞や「の」なしで直接数詞と組み合わせることができる名詞のタイプについてより幅の広い調査を行った。あらたに考察の対象に加えた事例は、形態的にはとりたてて見るべきところのないものであるが、考察対象が増えることにより、どういった名詞がそもそも数詞との直接的結合を許すのか、という問題自体が 重要な理論的課題として浮かび上がる結果となった。この点については先行研究がないわけではないのだが、数詞との結合以外では意味分類のみに依拠した提案にとどまっており、統語的性質に基づく名詞の下位分類が望まれる。本課題は程度修飾に関わるものなので、数詞との直接的結合が見られる名詞のうち、計量と深く結びついている容器類を意味する名詞を中心に据えて取り組む予定である。なお、数詞形態についての論文は最終稿を仕上げたので、これも出版時期は確定していないが、あとは出版を待つだけとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アウトプットの量が少ないが、着実な進展を見せている。形容詞に加えて名詞の下位分類という視点を得られたのは大きい。
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今後の研究の推進方策 |
計量単位に準じた統語使用のある容器類の名詞の性質を検討するとともに、形容詞の下位分類に関する研究も引き続き進める。不定語を含む程度修飾については時間の余裕があれば取り組むが、あらたな展開が得られたので、現時点での優先順位は下げざるを得ない。
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