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初期中英語における派生接辞 -able の創発

研究課題

研究課題/領域番号 20K00671
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02080:英語学関連
研究機関立正大学

研究代表者

児馬 修  立正大学, 人文科学研究所, 研究員 (10110595)

研究分担者 内桶 真二  茨城女子短期大学, その他部局等, 教授 (10269285)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
キーワード派生接辞 / 生産性 / -able / ロマンス接辞 / ゲルマン接辞 / 形態論 / 中英語 / 古フランス語
研究開始時の研究の概要

現代英語で多くの他動詞から形容詞を派生する接辞のひとつに -able がある(readable, loveable など)。この接辞は英語本来の接辞ではなく、1100年以降に古フランス語から借入された多くの形容詞(available, agreeableなど)に基づいて、英語のシステムの中に取り込んだ(新たに創発した)接辞 であることが知られている。しかし、その歴史的な発生のメカニズムについては十分に解明されていない。本研究は、同じく古フランス語からの外来語である形容詞 able との関連に着目しながら、派生接辞 -able の創発の初期段階のメカニズムを解明することを目指すものである。

研究実績の概要

本研究の初年(令和2年)度からコロナ禍の状況がほぼ3年にわたり、さらに研究代表者の療養期間がコロナ禍と重複し、長引いたため、令和5年度も、①初期中英語 able の意味調査②ハイブリッドの調査③名詞語基と動詞語基の-able語の競合の調査④分析不能の-able 語の調査、のほぼすべてにおいて大幅に遅れている。特に、健康上の理由で、コロナ禍が終息した後も、国内出張の自粛が求められていたため、研究協力者との協議や共同調査を行うことが難しく、上記の調査全体が停滞した。
他方、形態論の理論研究の文献の渉猟は継続することができた。とくに、「語彙素と形態素の区別に基づく形態論理論」関連の文献(特に、Beard (1995))と、語彙の意味表示に関する理論研究の一つである「生成レキシコン」関連の文献(特に、Pustejovsky (1995))、に触れることができた。本研究の -able派生語の史的発達を考察するうえで、語基の動詞(語彙素)と、接辞の -able(形態素)が、それぞれ文法全体においてどのように位置づけられるかという問題だけでなく、さらに、それぞれの意味表示がどのような構造を持つかという点に関しても、上記のテーマ①~⑤と深くかかわる多くの知見(ヒント)を、この二つの理論から学ぶことができた。
さらに、令和4年度から継続中の、バイリンガル研究関連の文献調査も実施できた。特にフランス語と英語のバイリンガルの語認識に関する実験研究(Thomas and Allport (2000)など)は、本研究の対象である-able派生語もフランス語起源であるため、バイリンガルが言語を切り替えるときに生ずる負担(switching cost) がどこから来るかという問題が、本研究と深くかかわるため、このような心理言語学分野の知見に触れられたことも大きな収穫の一つでもあった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

この4年間は新型コロナ感染拡大の防止のため、研究分担者との対面による協議や調査の実施がすべて困難(不可能)であった。令和6年2月には、研究代表者本人が新型コロナに感染した。また、令和3年の7月より研究代表者の肺炎による入院と通院治療が令和6年1月まで継続しており、研究の大部分が長期にわたって停滞したため、研究期間の再延長の申請を令和6年の1月に行った。

今後の研究の推進方策

令和6年3月より通院治療の頻度がやや緩和され、経過観察となったため、今後は研究協力者との対面による協議や研究調査も可能となった。ようやくにして、上記①-④のデータ調査の実施や、これまでの文献の渉猟から得られた知見などを考慮した、今後の研究調査の見直しなども可能となった。とりあえず、今年度は基礎的なデータ調査について、ある程度の完成度を目指して取り組みたい。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 派生接辞 -able の特異な歴史2022

    • 著者名/発表者名
      児馬修
    • 雑誌名

      創価大学英文学会 Newsletter

      巻: 31 ページ: 5-12

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 派生接辞 -able の特異な歴史2021

    • 著者名/発表者名
      児馬修
    • 学会等名
      創価大学英文学会 春季大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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