研究課題/領域番号 |
20K00675
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02080:英語学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高橋 英光 北海道大学, 文学研究院, 名誉教授 (10142663)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 行為指示 / パートナー構文 / 間接行為指示文 / 談話構造 / 行為指示構文 / 社会語用論 / 談話内の生起位置 |
研究開始時の研究の概要 |
社会的動物であるヒトにとって依頼、提案、命令などの行為指示(directives)は最も重要な言語コミュニケーションの一つである。英語を含めいかなる言語にも多彩な行為指示表現があるが、話者がどの場面でどの行為指示文を選ぶのかを予測する理論がまだ存在しない。このため、本研究は、(i)英語の個々の行為指示文が談話の中でどの行為指示文と共起するのかを明らかにし、(ii)個々の行為指示文が談話文脈に表れる位置を特定し、(i)と(ii)を基に間接行為指示文の談話構造の認知言語学的特徴付けを行い、具体的な言語使用における間接行為指示文選択のメカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
行為指示文とはー文で成り立つわけではなくしばしば他の行為指示文と共起する。本研究では、英語の15の間接行為指示文が談話の中でどの行為指示文と共起しやすいのかを明らかにした。具体的には、(i)英語の多くの間接行為指示文にとってもっとも使用頻度が高いパートナー構文は命令文であり、(ii)命令文に次いで使用頻度が高いパートナー構文は同一か同系統の構文であり、(iii)平叙文の間接行為指示文は疑問文のそれより命令文の共起頻度が高いこと、が判明した。本研究は行為指示文の談話構造の新しい研究法を提供していることにより発話行為研究に関心を持つ幅広い分野の研究者に大きな価値を持つものとなろう。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
行為指示とは、他者に依頼、提案、命令などを伝える行為を意味しヒトの重要な言語コミュニケーションのひとつである。いかなる言語にも多彩な行為指示表現があるが、これまでの研究では行為指示の談話構造の分析が不十分であった。本研究が明らかにした英語の個々の行為指示文と他の行為指示文との共起可能性の全体像は、英語のみならず世界の様々な言語の行為指示文と談話構造の研究への道標となる。これらの成果は認知言語学・構文文法および語用論における発話行為研究の進展に大きく貢献し、行為指示の認知的・社会語用論的メカニズムの一端を世に示した社会的意義は非常に大きい。
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