研究課題/領域番号 |
20K00679
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02080:英語学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
越智 正男 大阪大学, 大学院人文学研究科(言語文化学専攻), 教授 (50324835)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 名詞句 / 量化表現 / 類別詞 / 複数形態素 / 一致現象 / 一致 / 遊離数量詞 / 属格主語 / tough構文 / 否定極性表現 / 最小化詞 / 格 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の統語理論は言語の一致 (agreement) 特性に着目する形で進展してきた。そして、日本語や中国語のように形態的一致を示さない言語は一致特性を欠く言語であると見做され、言語間における統語的一致の有無を規定するパラメータが様々な形で提案されてきた。その主なものは節領域での一致現象に基づくものであるが、同類のパラメータ化の研究は名詞句領域に対しても行われている(Chierchia 1998等)。このような学術的背景を踏まえた上で、本研究課題では、自然言語の一致特性の存在が(少なくとも)名詞句の領域においては普遍的であるという新たな可能性を探っていく。
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研究実績の概要 |
1. 年度の前半は、昨年度開始した複数形態素の統語と意味に関する研究の内容を継続して行い、国際学会(The Workshop on Theoretical East Asian Linguistics 13)で発表した。この研究は近年のラベリング理論に基づくものであり、日本語の複数形態素(「達」や「ら」)が(格助詞と同様に)反ラベリング(anti-labeling)要素であるという仮説を探求するものである。 2.年度の後半は、ラベリング理論の枠組みを用いた類別詞の統語分析が中心となった。これは令和3年度に本研究課題で行った分析を発展させたものであり、辰己雄太氏(明海大学)に協力を依頼して行った研究である。令和3年度の研究において類別詞が反ラベリング(anti-labeling)要素であるとの仮説を立てるに至ったが、今年度はこの仮説を維持しつつ、前置型類別詞構文と後置型類別詞構文が同じ基底構造を持つという新たな可能性を探究した。今年度の研究によれば、(i) 通言語的に類別詞は数詞句と最初に併合し、この併合操作により出来上がった構成素(「数詞句+類別詞」)と名詞句が併合する、(ii) 類別詞主要部が弱主要部の場合に加えて強主要部である場合の派生を持つ言語であれば、日本語のように前置型類別詞と後置型類別詞の両方の語順を許す、ということになる。なお上述の(i)は類別詞が(名詞ではなく)数詞のために必要であるというKrifka (1997)の考え方との親和性が高い。さらに、「数詞句+類別詞」と「名詞句+格助詞」という2つの構成素が併合する派生から遊離数量詞のパターンが生まれるとの仮説を提案するに至った。これらの研究成果をまとめて、国際学会(GLOW in Asia XIV)でポスター発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナを巡る状況が改善したこともあり、海外での学会発表を再開することができた。また海外での学会発表の際に、本研究課題の3名の海外研究協力者のうちの2名と対面で研究の打ち合わせを行うことが出来た。ただし、コロナの期間の遅れを取り戻すまでには至っていないのが現状である。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究において、類別詞表現や複数形態素の統語構造に関してラベリング理論の観点からの分析を進めることが出来た。これらの成果を踏まえて、次年度は3名の海外研究協力者の協力を得て、日本語、中国語、韓国語の名詞句構造に関する主要な問い(例:これらの言語の名詞句がDP構造を持つか否か)に対する提言をまとめたい。
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