研究課題/領域番号 |
20K00693
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02080:英語学関連
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研究機関 | 法政大学 (2021-2022) 広島修道大学 (2020) |
研究代表者 |
福元 広二 法政大学, 文学部, 教授 (60273877)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 英語史 / 評言節 / 文法化 / 主観化 / 初期近代英語 / 補文標識 / 歴史語用論 / 中英語 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は、中英語期から近代英語期に見られる評言節 (Comment Clause)を文法化・ 主観化の観点から考察することである。これまで評言節の研究は、一人称代名詞を含むタイ プや二人称代名詞を含むタイプについて、談話標識や文法化の観点から研究が行われており、三人称代名詞を含むタイプはほとんど研究されていない。そこで本研究では、三人称代名詞を含む評言節の中でもItを形式主語とする構文を取り上げ、中英語期から後期近代英語期におけるデータを収集する。そして、これらの用例の中で、主語Itの脱落や補文標識thatの脱落が見られる用例に焦点を当てて、イディオム化や文法化が見られるかを考察する。
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研究成果の概要 |
本研究は、英語史における三人称代名詞Itを含む評言節を文法化・主観化の観点から考察した。中英語期における三人称人称代名詞Itを含む用例を調査した結果、まだ補文標識thatが脱落しておらず、It+動詞+that 節の形式が多くみられた。しかし、初期近代英語期に入ると、補文標識thatなしで、使われる例が多く見られるようになり、文頭だけでなく、文中や文末にも置かれるようになり挿入的な用法も見られた。その後、主語Itの脱落や補文標識thatの脱落が見られ、文法化・主観化が見られることを明らかにすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究における学術的意義としては、三人称代名詞Itを主語とする表現が英語史のなかで補文標識thatや主語Itの脱落とともに文法化していく様子を明らかにすることができた。このことはこれまであまり扱われてこなかった評言節の史的発達に貢献できると思われる。その一方で、中英語期や初期近代英語期においてよく使用されていた三人称代名詞Itを主語とする表現が次第に見られなくなる例もあることを指摘することができた。
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