研究課題/領域番号 |
20K00699
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
山下 直子 香川大学, 教育学部, 教授 (30314892)
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研究分担者 |
轟木 靖子 香川大学, 教育学部, 教授 (30271084)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | カタカナ語 / 外来語 / 語彙学習 / 日本語教育 / 第二言語習得 / 語彙 / 意図的学習 / 教材開発 / 言語習得 / 語彙知識 |
研究開始時の研究の概要 |
多くの日本語学習者がカタカナ語(外来語)を苦手とすることは指摘されながら,現場での指導は十分ではなく,基礎資料となる先行研究も少ない。カタカナ語の一部が定着しつつある中で効果的な学習の検討は急務である。そこで,本研究では,語彙知識の「使用」に着目してカタカナ語と類義語の使い分けに関する調査を行い,カタカナ語を使う文脈を学習者がどのように捉えているのかを明らかにする。さらに,その結果をもとにカタカナ語の学習教材を試作し効果を検証する。
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研究実績の概要 |
本研究はカタカナ語(外来語)の効果的な語彙指導・学習を検討するため,語彙知識の一つである「使用」に着目して,文脈や場面によってカタカナ語とその類義の和語や漢語がどのように使い分けられているのかを明らかにすることをめざすものである。昨年度,予備調査をおこなった中上級レベルの日本語学習者と日本語母語話者を対象者とした使い分けに関する質問紙調査について検討をして新たな質問紙を作成し,今年度は本調査としての実施に着手している。調査項目はカタカナ語とその類義語が使われる文脈を設定して,ふさわしいと思う語を選ぶ問いと両者の違いについて自由記述する問いからなる。調査語彙は基本的な外来語で使用頻度の高いサ変動詞とその類義語のうち,これまでの調査で母語話者が使い分けに一定の基準を持つことが明らかになった3つのペア(計6語)である。問いで提示した文脈は,辞書の語義や用例と先におこなった調査で学習者や母語話者が産出した文等を参考にして設定した。現在,データの収集を進めている。なお,カタカナ語と類義語の使い分けに関してこれまでに収集したデータを分析し口頭発表をおこなった研究成果は,いただいた意見を参考にして論文として投稿するため加筆修正しまとめた。 また,既存のコーパスを用いたカタカナ語と類義語の使い分けも調査してきたが,カタカナ語の使用の実態をさらに探るため,母語話者がどのような文脈や場面でどのようなカタカナ語を使用しているのか具体的なデータを収集し分析する新たな調査を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大の影響が予想以上に続いているため,計画の一部変更や修正が必要になった。渡航制限の厳しい状況が続き国内の外国人留学生が減少し,また渡航制限のため海外での調査の実施も難しくなったことによって,特に日本語学習者を対象としたカタカナ語の使い分けの調査は十分におこなうことができない状況であった。昨年度,予備調査をおこなった学習者を対象とした使い分けに関する調査をもとに検討して新たな質問紙を作成することができたので,今後は本調査として実施を進めていく予定である。以上の点から,現在までの進捗状況は当初の計画よりはやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
当初,予定していた日本語学習者を対象としたカタカナ語と類義語の使い分けに関する調査は,新型コロナウイルスの感染拡大の継続で十分には進められなかった。そのため,今後は,新たな使い分けに関する調査を母語話者だけでなく学習者にも本格的に実施する予定である。得られた成果はまとめて学会や研究会等で発表することをめざす。また,既存のコーパスを用いたカタカナ語の使用状況を分析する調査に続いて,母語話者のカタカナ語の使用の現状をさらに探る調査を検討しているので引き続きすすめたい。今後は状況も改善し大きな変更等はないものと思われるが,研究計画を調整し柔軟に対応して進めていきたい。
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