研究課題/領域番号 |
20K00706
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
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研究機関 | 武蔵野大学 |
研究代表者 |
向山 陽子 武蔵野大学, 言語文化研究科, 教授 (80619817)
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研究分担者 |
村澤 慶昭 武蔵野大学, グローバル学部, 教授 (30515044)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 高度海外人材育成 / ビジネス日本語教育 / 音声教材 / 報告書作成 / タスク / 議事録作成 / 高度海外人材 / タスク教材 / 議事録 / ビジネス日本語 / 教材開発 / 指導効果 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は第二言語習得研究におけるタスク理論を枠組みとして真正性の高いビジネス日本語教材を開発すること、およびその教材を用いた指導の効果と学習者の言語適性との相互作用を解明することを目的とする。 外国人社員、日本人社員から得た情報を基に教材を開発し、大学院でビジネス日本語を学ぶ留学生を対象とした教育実践に用いる。そして、その指導にどのような効果があるか、また、学習者の言語適性が指導効果にどのように影響するかを検証する。
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研究実績の概要 |
本研究の主目的は高度海外人材育成のためのビジネス日本語教育用教材の開発である。研究開始初年度の令和2年度に大学院ビジネス日本語コース修了生に対してアンケートおよびインタビュー調査を行い、日本企業、あるいは母国の日系企業で日本語を使って働くために必要とされる能力、また、職務の中で困難を感じるタスクについて明らかにした。 その結果に基づき、2年目の令和3年度に議事録作成能力を養成するための教材開発を進めた。タスクの真正性を重視し、実際に日本企業で働く外国人社員に聞き取り調査を行い、得られた情報を反映させた12課構成の音声教材を作成した。この教材は製菓会社で働く外国人社員を主人公にしたストーリーの中に複数の会議場面を設定し、キーワードのメモ、パラフレーズ、議事録作成などのタスクを配置したものである。 この音声教材を用いて大学院と学部の留学生を対象として実践を行い、学習者の成果物、アンケート調査による学習者のフィードバックを分析した。その結果、音声の内容は理解できるものの、音声を聞きながらキーワードをメモすることは難しいこと、また、書き取ったキーワードを手がかりに文に書き直すことも難しいことが明らかになった。また、学習者にとって背景知識のない産業を取り上げたことがタスクの難しさに影響していることが示唆された。 これらの問題を解決するために、令和4年度はストーリーも含め教材を全面的に見直し,新たに報告書作成教材の開発に着手した。学習者の日本語能力レベルに合わせて、真正性の高いタスクを行う前に、キーワードの聞き取り、情報の取捨選択、パラフレーズ練習などの練習を行い、まずはボトムアップで必要な能力を養成することを目指した。このようなコンセプトに基づき、現在さまざまなタスクを作成しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本課題採択直後からの3年間はコロナ禍という今までに経験のない環境になり、教育の面でも研究の面でも従来とは状況が全く異なっていた。そのため、本研究のために割けるエフォートが当初の予定よりかなり少なくなってしまった。また、コロナ禍の3年間に社会が大きく変化し、多くの仕事がオンライン化され、本研究が開発を目指していた教材も方向性の見直しが必要になった。そのため、仕事のやり方とは関係なく、どのような場合にもビジネス場面で必要な汎用性のある能力を養成する教材を作成することを目指し、共同研究者と教材のコンセプトについての議論から始め、新たな教材開発研究を進めているところである。そのような背景があるため、当初の予定通りには進捗していない。
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今後の研究の推進方策 |
1.議事録作成能力を養成することを目的とした教材の試作版を完成させたが、教材が対象とする学習者のレベルに合わない部分があったこと、また社会の大きな変化があったことから、新たな音声教材を作成中である。今年度の前半にはその教材を完成させる予定である。 2.完成した教材の一部を、ビジネス日本語教育を行っている教育機関で試用してもらう予定である。教師および学習者から教材についてのフィードバックを得た後、さらに改善し、より良い教材の完成を目指す。 3.教材開発のプロセスおよび教材の内容について、関連する研究会、学会で口頭発表する。また、発表内容を論文化し、研究成果を発信する。
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