研究課題/領域番号 |
20K00712
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
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研究機関 | 大阪産業大学 |
研究代表者 |
新矢 麻紀子 大阪産業大学, 国際学部, 教授 (70389203)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 地域日本語教育 / 地域格差 / 日本語教育の公的保障 / 日本語教育推進法 / 日本語教育の体制整備 / コーディネーター / 文化庁 / 日本語教師とボランティア / 日本語教室空白地域 / 自治体の責務 / 生活者としての外国人 / 日本語教育保障 / 自治体の施策 / 日本語教育の地域格差解消 / 日本語学習権保障 / アクション・リサーチ |
研究開始時の研究の概要 |
「生活者としての外国人」が日本語を学習できる地域日本語教室等は都市部に集中し、地方公共団体の2/3が日本語教室が存在しない「空白地域」であることは大きな課題である。「日本語教育推進法」が成立したものの、地方部の外国人の日本語学習権保障を視野に入れて運用されなければ、地域格差は一層拡大していく。 本研究では、1)日本における「生活者としての外国人」への日本語教育の地域格差に関する実態調査を行い、2)国内外の先進地域事例を調べ、3)1,2地域にてアクション・リサーチを実施し、4)得られた知見を基に、地域格差是正に向けた制度とツールの開発を行い、提案する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、「生活者としての外国人」への日本語教育の地域格差、特に都鄙格差の実情を明らかにし、解決に向けた施策や方法論を提案することにある。地域日本語教室等は都市部に集中し、地方公共団体の2/3が日本語教室が不在の「空白地域」であるという現実がある。日本語教育推進法が成立したものの、地方部における日本語教育は未だ十分とは言い難く、都市部とのさらなる格差が生まれ得ない。 本課題の初年度2020年度からコロナ感染症拡大によりフィールド調査が実施できず、2020-2021年度は、文献収集とその分析を中心に研究を進めた。2022年度後半にようやく現地フィールド調査が可能な状況となった。 本課題研究の前から調査を実施している愛媛県では、U市職員への聞き取り調査、県の担当課や国際交流協会の担当職員、総括コーディネーターに話を聞いた。2020年度から調査を行っている和歌山県K市では、近畿大学服部教授とK市担当職員の協力を得て、外国人を雇用している地元企業に赴き、担当社員には外国人社員の勤務の様子を、外国人社員には職場での日本語の課題や生活の課題について聞き取り調査を行った。福岡県K町ではコーディネーターに、同県K市、山口県S市では総括コーディネーターに、日本語教育の体制整備の状況や日本語教育支援の内容、今後の課題等について話を聞いた。 上記調査からわかったことは、地方部であればあるほど、日本語教育人材、特に「コーディネーター」の役割を担える人材が乏しい傾向があること、外国人にかかわる課題を国際課や国際交流協会に依存せず、人権、教育、労働、福祉等の他の部門との連携・協働を進めている自治体では効果的な支援が推進されていること、自治体職員とコーディネーター、特に総括コーディネーターとの協働が事業の推進や体制整備に重要な要素となること、等である。詳細は、稿を改め、学会や論文等で報告したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は、日本の各地に赴いての現地フィールド調査によって実施する計画であったが、コロナウィルス感染症拡大により、課題の1,2年目に相当する2020、2021年度と2022年度の前半まで、実地調査がほとんど実施できなかったため、研究が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、これまで実施できていない北海道、東北、中国地方での現地調査を実施したい。また地方部のみならず、大都市圏域の日本語教育の実態を把握することは、地域格差を知るために必須である。現時点での候補地は、兵庫県、京都府、愛知県、東京都、大阪市である。 最終年度であるため、研究のまとめを行い、学会発表や論文執筆として報告を行いたい。研究成果発表として、2023年9月にオーストラリアJSAA-ICNTJ2023での学会発表、共著の和書と共編著の洋書の発行が予定されている。
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