研究課題/領域番号 |
20K00719
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
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研究機関 | 九州工業大学 (2022-2023) 室蘭工業大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
山路 奈保子 九州工業大学, 教養教育院, 教授 (40588703)
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研究分担者 |
アプドゥハン 恭子 九州工業大学, 教養教育院, 教授 (00184630)
曲 明 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (60727064)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 研究留学生 / コミュニティへの参加 / 研究上の議論 / 初級後半レベル |
研究開始時の研究の概要 |
日本語学習時間の確保が困難な研究留学生・外国人研究員が、初級レベルの日本語知識を有効に活用して研究コミュニティに参加することを可能にするための教育方法と教材の開発を目的とする。初級前半レベルまでの学習事項を習得済みの学習者を対象として想定し、日本語を主な使用言語として行われる研究上の議論への理解と参加を可能とすることを目標に、1)学習者のニーズ調査とシラバスの検討、2)検討したシラバスに基づいた初級後半レベル用会話教材の開発、3)開発した教材による試験授業実施と教育効果の検証、を行う。
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研究実績の概要 |
2022年度までに進めてきた、初級後半レベル学習者向けコースで使用する教材の作成をさらに進め、全10課からなる試作版教材「Everyday Interaction at/around Laboratory(2)」としてまとめた。研究室に所属して日本語と接する環境にありながら、学習時間の確保が難しい大学院留学生を主たる対象とする週2回×15週のコースで使用することを想定し、2021年度までに行ったシラバスデザインをもとに、2022年度にモデル会話とタスクまでを作成していたが、2023年度はこれらの総合的な見直しを行ったうえで、英語翻訳と英文による解説を付加して、学習者が学習項目をあらかじめ理解した上で授業に臨めるようにし、実際にコースで使用可能な形に整えることができた。 2023年7月には、日本語教育学会北海道支部集会の「交流ひろば」に作成途上の教材を出展し、本教材が対象とするのと同様の学習者を教える立場の日本語教員に教材を提示しつつ、コース運営上の問題点や学習者のニーズなどについてさまざまな意見を得ることができた。これらの知見や先行研究をもとに、学習項目やタスクの見直し・追加を行うとともに、以下のような方針のもと、基本項目(タスクを伴う)と参考情報(解説のみにとどめる)に分けて英文解説を付した。1)基本項目の解説はできるだけシンプルにとどめつつ、導入表現の話し言葉における実際の出現のしかたに注意を払い、場合によっては既存の初級教材とは異なる形式を採用した。2)既存の初級教材では基本項目とされる表現であっても、他の既習表現でも代替可能であれば、参考情報として解説するにとどめるなどして、学習項目数を抑えた。3)既存の初級教材では取り上げられない口語的表現を参考情報として多く取り上げた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度までに、新型コロナ感染症の影響で対面場面が少なくデータ収集が十分にできなかったこと、研究代表者が所属先を移動したことにより担当する授業が変わり、初級後半レベルの授業を直接担当しなくなったため、データ収集の方針に若干の変更を要し、結果として試作教材の着手に大幅な遅れが生じた事による。
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今後の研究の推進方策 |
作成した試作版教材を授業で試用して、教室における観察を行い、コース終了後に教師及び学習者による評価データの収集をアンケート調査、インタビュー調査により行う。これらの試用結果により解説やタスクへの修正を加えて完成版とする。中国語訳版も作成する。また、すでに作成済みの自習用動画も試作版教材に準拠して加除修正を加え、反転授業と欠席時のフォローに活用して効果を測定する。
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