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外国人集住地域の公立小中学校連携による二言語教育支援方法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 20K00726
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02090:日本語教育関連
研究機関大阪大学 (2021-2023)
広島大学 (2020)

研究代表者

櫻井 千穂  大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 准教授 (40723250)

研究分担者 永田 良太  広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (10363003)
渡部 倫子  広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (30379870)
岩坂 泰子  広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (80636449)
菅原 雅枝  愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (80594077)
野口 裕之  名古屋大学, 教育発達科学研究科, 名誉教授 (60114815)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード文化的・言語的に多様な子ども / CLD児童生徒 / 対話型アセスメントDLA / トランス・ランゲージング / DLA対話型アセスメント / 文化的言語的に多様な子ども / バイリンガル教育
研究開始時の研究の概要

文化的・言語的に多様な子どもが多くを占める集住地域の学校では, 従来の日本語母語児童生徒のための学校教育カリキュラムや補助的な日本語支援のみでは対応できない様々な問題が浮上している。本研究では, 集住地域でのCLD児童生徒の日本語と母語の二言語能力と, アイデンティティの育成といった全人的発達を見据えた教育システムの確立を目指し, CLD児童生徒の二言語能力の縦断調査による実態解明を行う(研究1)。次に研究1を踏まえ, バイリンガル教育理論に基づく支援方法の設計を行う(研究2)。そして, 教育実践と効果検証(研究3)から, 学校環境において実装可能なバイリンガル教育支援の方法を提案する。

研究実績の概要

昨年度に引き続き、言語能力評価と教育実践をおこなった。特に本年度はトランスランゲージング教育の実践に加え、在籍学級での読書プログラムを推進した。言語能力評価の結果から、教科学習言語能力に課題のある生徒は読書力が低学年レベルのまま停滞していることが明らかとなり、読書力の向上を目指した実践が必要不可欠であることが教員間で共有された。そこで、複数言語環境に育つ生徒が全体の40%以上を占め、さまざまなレベルの生徒がいる在籍学級において、個々のレベルに応じた読書と作文(あらすじ書き)ができる環境を整え、実践した。すべての生徒が各々の課題に取り組む姿が見られ、協働研究をおこなっているフィールド校の教員等からも効果を実感する声が聞かれた。
また、授業と生徒のあらすじ作文の分析から、効果的な実践には、生徒の読書レベルを的確に把握すること、課題に向かう動機づけのための仕掛け(ワークシートの工夫等)を行うこと、レベルに応じたテキストを選択できる環境を整えること、レベルに応じた適切な声かけを行うこと、グループ学習を推奨する必要があることが確認された。さらに、日本語能力が長期間低迷している生徒は皆、読字と書字につまずいていることも明らかとなった。これらの生徒に対しては「書く」行為よりも、キーボードを「打つ」行為のほうが書きことばの習得を促す可能性も示唆された。この点に関しては、どのようなスキャフォルディングが効果的であるかを詳細に検証する必要性が示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

複数言語能力の伸長を目指したトランスランゲージングを活用したユニバーサルデザインの授業や読書プログラムの推進はできたが、その実践をまとめた成果物の出版に至らなかった。

今後の研究の推進方策

実践の成果として、トランスランゲージングの実践をまとめた書籍を出版する。本年度はその執筆・編集を教育現場の実践者とともに進める。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (24件)

すべて 2024 2023 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (12件) (うち招待講演 5件) 図書 (5件)

  • [雑誌論文] 外国にルーツを持つ子どもたちへの教育における課題と展望ー「日本語を教える」から「複数言語で育てる」へー2024

    • 著者名/発表者名
      櫻井千穂
    • 雑誌名

      EXORIENTE

      巻: 28 ページ: 47-63

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 「DLA〈読む〉」の構成概念妥当性の検証 : 日本語母語児童を対象としたテキストレベルの妥当性に関する分析2023

    • 著者名/発表者名
      櫻井千穂, 真嶋潤子, 中島和子, 野口裕之
    • 雑誌名

      日本語教育

      巻: 185 ページ: 30-45

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 文化的言語的に多様化する教室における英語教育実践―トランスランゲージング・クラスルームを枠組みとして―2023

    • 著者名/発表者名
      岩坂泰子, 佐野愛子, 櫻井千穂
    • 雑誌名

      母語・継承語・バイリンガル教育(MHB)研究

      巻: 19 ページ: 59-75

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 外国につながる児童生徒への教育ー課題とその解決に向けた提言2023

    • 著者名/発表者名
      櫻井千穂
    • 雑誌名

      ことばと文字

      巻: 16 ページ: 14-24

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 外国人保護者の持つ育児コミュニティへの参入意識2022

    • 著者名/発表者名
      山下 順子・成 利楽・渡部 倫子
    • 雑誌名

      広島大学日本語教育研究

      巻: 32 ページ: 1-7

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] CLD児の学習言語能力をどのように育成するか ―南米スペイン語圏ルーツ児童の二言語口頭能力の相関分析からの考察 ―2021

    • 著者名/発表者名
      櫻井千穂
    • 雑誌名

      第二言語としての日本語の習得研究

      巻: 24 ページ: 2021-2021

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Developing a Classroom-based Language Assessment of Japanese for Children Who Speak Minority Languages in Japan: The Dialogic Language Assessment2020

    • 著者名/発表者名
      Yuko Goto Butler and Chiho Sakurai
    • 雑誌名

      LANGUAGE ASSESSMENT QUARTERLY

      巻: 17, 5 号: 5 ページ: 467-490

    • DOI

      10.1080/15434303.2020.1826487

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 日本在住の外国につながる子どもの読書力の発達―複数言語の関係に着目して2024

    • 著者名/発表者名
      櫻井千穂
    • 学会等名
      日本発達心理学会第35回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 第二言語として日本語を習得する子どもの言語能力評価―対話型アセスメントDLAを通して―2023

    • 著者名/発表者名
      櫻井千穂
    • 学会等名
      言語科学会第24回年次国際大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 日本の英語教育におけるトランスランゲージング・クラスルームの実践2022

    • 著者名/発表者名
      岩坂泰子・佐野愛子
    • 学会等名
      母語・継承語・バイリンガル教育(MHB)学会2022年度研究大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 複数言語環境の子どものことばとこころを育てる活動2022

    • 著者名/発表者名
      櫻井千穂
    • 学会等名
      国際交流基金マドリード日本文化センター第9回日本語教育オンライン講演会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] CLD児の全人的発達を支える「ことば」の教育-問題は子どもにあるのか-2022

    • 著者名/発表者名
      櫻井千穂
    • 学会等名
      第28回プリンストン日本語教育フォーラム
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 「ことばのたつじん」子どもたちのつまずきを探るアセスメント2022

    • 著者名/発表者名
      渡部倫子
    • 学会等名
      金沢大学講演会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 多文化共生のための日本語教育とは2022

    • 著者名/発表者名
      渡部倫子
    • 学会等名
      広島市日本語教育事業報告会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 文化的・言語的に多様な子ども(CLD 児)の言語能力評価の再考-全人的発達を目指して-2021

    • 著者名/発表者名
      櫻井千穂
    • 学会等名
      日本語プロフィシェンシー研究学会10周年記念シンポジウム
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] Language education to promote the holistic development of CLD Children: The multicultural challenge in a public elementary and junior high school in Japan.2021

    • 著者名/発表者名
      Sakurai, C.
    • 学会等名
      American Association of Teachers of Japanese the 2022 Annual Spring Conference
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] JSL児童に対する効果的な授業方法の検討―授業力があるとされる教師によるJSLカリキュラムの授業談話分析を通して―2020

    • 著者名/発表者名
      櫻井千穂、李在鉉、岡崎渉、永田良太
    • 学会等名
      2020年度日本語教育学会春季大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 対話型アセスメントDLA実践ワークショップ2020

    • 著者名/発表者名
      櫻井千穂、菅長理恵
    • 学会等名
      母語・継承語・バイリンガル教育(MHB)学会2020年度大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 文化的言語的に多様な子どもたちのためのWeb学習支援 ―支援者の成長―2020

    • 著者名/発表者名
      渡部倫子、櫻井千穂、永田良太、岩坂泰子
    • 学会等名
      母語・継承語・バイリンガル教育(MHB)学会2020年度大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] 「第4章3 臨時休業下におけるオンライン学習支援ー教員養成の視点から」(pp.50-57)齋藤ひろみ編『外国人の子どもへの学習支援』2022

    • 著者名/発表者名
      櫻井千穂
    • 総ページ数
      112
    • 出版者
      金子書房
    • ISBN
      4760895590
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 「CLD児の言語能力評価、再考ー全人的発達を目指して」(pp.405-418)鎌田修, 由井紀久子, 池田隆介編『日本語プロフィシェンシー研究の広がり』2022

    • 著者名/発表者名
      櫻井千穂
    • 総ページ数
      480
    • 出版者
      ひつじ書房
    • ISBN
      4823411374
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 「第3章 子どもの日本語力を評価する」(pp.43-59)西川朋美編『外国につながる子どもの日本語教育』2022

    • 著者名/発表者名
      櫻井千穂
    • 総ページ数
      199
    • 出版者
      くろしお出版
    • ISBN
      4874249205
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 「第2章第3節withコロナ/afterコロナのコミュニケーションを考える」草原和博・吉田成章編著『「コロナ」から学校教育をリデザインする-公教育としての学校を捉える視点-』2021

    • 著者名/発表者名
      永田良太
    • 総ページ数
      151
    • 出版者
      溪水社
    • ISBN
      9784863275621
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 「第8章 CLD児の言語習得」「第9章 CLD児への教育と支援」奥野由紀子編『超基礎・第二言語習得研究』2021

    • 著者名/発表者名
      櫻井千穂
    • 総ページ数
      232
    • 出版者
      くろしお出版
    • ISBN
      4874248845
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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