研究課題/領域番号 |
20K00727
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
伊月 知子 愛媛大学, 国際連携推進機構, 准教授 (30369805)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 「満洲国」 / 日本語教育 / 植民地教育 / 言語政策 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は「満洲国」の日本語教育について、植民地政策の一翼という負の側面がある一方で、現地教育者による教材や教授法の開発が進み、戦後の新中国における日本語教育の確立に貢献したという正の側面も捉え、その両面から「満洲国」の日本語教育の実態と後代の日本語教育に及ぼした影響を解明する試みである。具体的には、資料保存と口述記録の採取・掘り起こしを行い、それらに対する精査を通じて「満洲国」学習者と教師の実像に迫り、両者が戦後の中国における日本語教育の確立に正負両面でどう影響したかを明らかにする。その際に人々の記憶に焦点を当て、文献資料に加えて口述記録を資料として活用し、当事者の内面に迫ることを特色とする。
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研究実績の概要 |
本研究は、「満洲国」の日本語教育について、植民地政策の一翼という負の側面がある一方で、現地教育者による教材や教授法の開発が進み、戦後の新中国における日本語教育の確立に貢献したという正の側面も捉え、その両面から「満洲国」の日本語教育の実態と後代の日本語教育に及ぼした影響を解明する試みである。 具体的には、日本と中国の研究協力者と共同し、「満洲国」から戦後にかけての日本語教育に関する資料の収集と口述記録の採取・掘り起こしを行う。また、史実に対して見解が異なる両国の研究者との学術交流を促進し、本研究の分析や考察に対して、互いに研究者としての客観的な視点から議論を深める。 令和5年度は昨年度に本研究課題に関連する特集を組み刊行した『新世紀人文学論究』第7号に投稿した研究者による講演・発表シンポジウムを開催し、研究者間の学術交流と討論を行い、今後の研究の方向性に反映することができた(「海を渡った日本人教師―『新世紀人文学論究』第7号刊行記念 研究発表&シンポジウム」,新世紀人文学研究会主催,6月3日,オンライン)。 また、今年度は海外渡航制限が緩和されたため、4年ぶりに現地での聞き取り調査を再開した。中国の社会情勢の影響により、新規の対象者に接触することができなかったが、中国側の研究協力者による現地の情報収集とこれまでの聞き取り資料の提供を受けることができた。 コロナ禍の間に分析を進めてきた「満洲国」教育体験者の教育観への影響についてまとめ、国際シンポジウムで発表し、関連分野の研究者から指摘や情報を得ることができた(「元学習者が自己の歴史を経て語る「満洲国」教育観―斉紅深氏が取り組むオーラルヒストリー研究の今日的意義―」,韓国日本語学会第48回国際学術発表大会&第5回東アジア日本学研究国際シンポジウム,9月23日,於東国大学校)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍による渡航制限が長く続いた影響による研究活動の遅延をある程度取り戻したが、まだ未実施の部分があるため。
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今後の研究の推進方策 |
現在、中国のビザ取得にかかる申請の煩雑さと厳格さ(大阪のビザ申請センターへの出頭義務等)により渡航への支障が若干あるものの、令和6年度は遅延していた現地調査とその後の整理・分析を迅速に進められるよう研究協力者らと打ち合わせを行った。また分析作業に並行して研究成果について中国の関係学会で発表する準備を進めている。これらについて実施するため、本研究課題の補助期間延長承認申請を行い、さらに1年の延長を承認いただいた。
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