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高度バイリテラシー育成に貢献する継承語教育

研究課題

研究課題/領域番号 20K00731
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02090:日本語教育関連
研究機関立命館大学

研究代表者

佐野 愛子  立命館大学, 文学部, 教授 (20738356)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
キーワードバイリテラシー / 継承語 / Family Language Policy / 継承語教育
研究開始時の研究の概要

複数言語環境で学ぶ子どもたち(Culturally and Linguistically Diverse Students;CLD児)にとってリテラシーの獲得は非常な困難を伴う。多くの場合、母語・継承語によるリテラシー獲得をあきらめ、主要な社会言語たる第二言語(L2)でのリテラシー獲得のみが強調され、母語・継承語のリテラシーの保持・発達は顧みられない。本研究は高度バイリテラシー育成に資する目的で、CLD児の保護者が子の言語教育に関してどのような決定をするのか、そしてそうした決定は家庭を取り巻く周りの環境にどの程度、そしてどのように影響を受けているのかを明らかにすることを目指すものである。

研究実績の概要

本研究は複数言語環境に育つ子どもたちの高度バイリテラシーの育成に資するため、そうしたバイリテラシーの発達を促す環境要因の特定を様々なコンテクストにおいて探り、その比較を通じてコンテクスに依存する部分と普遍的な部分を明らかにすることを目指すものである。より具体的な研究課題としては以下の3つを設定している。
1.海外に暮らす継承日本語学習者、及び日本国内に暮らす英語を母語とする子どもたちとその家族は、高度日英バイリテラシー獲得のためにどのような選択(Family Language Policy, 以下FLP)をしているか。
2. 研究課題1で明らかになるFLPのうち、コンテクストの影響を強く受けるものにはどのようなものがあるか。どのような環境要因がそうしたFLPに影響を与えるのか。
3.研究課題1で明らかになるFLPのうち、コンテクストの影響を受けない普遍的なものにはどのようなものがあるか。
2023年度は、これまでに引き続き大阪在住のガーナ出身の子ども達2名を対象に日英バイリテラシー発達に関わる支援を継続し、学校内外の様々な場面で子どもたちが日本語のリテラシーをどのように獲得していくのか、そして同時に英語のリテラシーの保持にどのように苦戦するのか、その様子を観察した。また、カナダの補習授業校に幼稚園の時点から在籍を続け高校を卒業するまで継続して在籍した結果高度な日英バイリテラシーを獲得した当事者5名にインタビューを実施した。また、8月17日から20日にかけてベルギーで開催されたヨーロッパ日本研究会においてフィンランド、フランス、及びイタリアの研究者と共同でパネル発表「"Feeling at home" in linguistic peripheries of Japan?」を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2020年度は、新型コロナウィルスの影響を著しく受け、さらにコロナ禍の最中に所属が変わったことなどから研究にとても遅れをきたした。2021年度は若干状況が好転し始め、国内のデータ収集を始められた。この年に始めた大阪在住のガーナにルーツのある子どもたちのバ日本語のリテラシーを獲得し、同時に英語のリテラシーの保持に苦戦する様子を継続的に観察している。この成果について今年度まとめたいと考えている。
また、2022年度から始めた北海道のオルタナティブスクールに子どもを通わせる保護者のFLPについても、今年度も継続して調査を行い、その成果をまとめたいと考えている。
国外の調査については、昨年ベルギーで開催されたヨーロッパ日本研究会においてフィンランド、フランス、及びイタリアの研究者と共同でパネル発表「"Feeling at home" in linguistic peripheries of Japan?」を行った際に広がった人脈を活用し、今年度はドイツでのデータ収集を予定している。
また、昨年の年度末に、カナダの補習授業校に幼稚園の時点から在籍を続け高校を卒業するまで継続して在籍した結果高度な日英バイリテラシーを獲得した当事者5名にインタビューを実施できたことは大変幸運だった。このインタビューの結果について、これまで未発表だったデータとの比較を行って成果をまとめたい。
現時点での論文発表としては、「文化的言語的に多様化する教室における英語教育実践
― トランスランゲージング・クラスルームを枠組みとして ―」と題するものを母語・継承語・バイリンガル教育学会紀要にて発表している(岩坂・櫻井・佐野, 2023)。

今後の研究の推進方策

2024年度は最終年度にあたるため、これまでの研究成果を取りまとめてその成果を発信することに重点をおいて研究を進める。ただし、研究序盤でデータ収集が遅れた分を取り戻す必要もあるため、今年度も引き続き国内外(現時点でドイツ、北海道、青森を予定)でのデータ収集も行う。
研究成果の発表は、学会発表に間に合うものは学会発表し、そのほかの成果については、研究終了後の公表になる物を含めて論文の形で発表する予定である。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] 文化的言語的に多様化する教室における英語教育実践 ― トランスランゲージング・クラスルームを枠組みとして ―2023

    • 著者名/発表者名
      岩坂泰子・佐野愛子・櫻井千穂
    • 雑誌名

      母語・継承語・バイリンガル教育(MHB)研究

      巻: 19

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] Deaf School as “Linguistic Home” for deaf students in Japan2023

    • 著者名/発表者名
      Aiko Sano
    • 学会等名
      The 17thInternational Conference of the European Association for Japanese Studies
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 日本の英語教育におけるトランスランゲージング・クラスルームの実践 ―文化的言語的に多様化する教室における学び合い―2022

    • 著者名/発表者名
      岩坂泰子・佐野愛子
    • 学会等名
      母語・継承語・バイリンガル教育学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Using BOLT as a self-reflective tool for teacher education in a translanguaging class for Deaf students in Japan2021

    • 著者名/発表者名
      Aiko Sano & Mizuho Tanaka
    • 学会等名
      AILA
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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