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母語音声と非母語音声の処理能力の直接的関係

研究課題

研究課題/領域番号 20K00754
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02100:外国語教育関連
研究機関成蹊大学

研究代表者

増田 斐那子  成蹊大学, 理工学部, 准教授 (80634542)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード音声知覚 / 雑音 / 外国語教育 / 習熟度 / 日本人英語学習者 / 非母語話者 / 日本語 / 英語 / 非母語音声 / 母語音声
研究開始時の研究の概要

グローバル化が進む中、国際的な場で英語をツールとして用いる機会が増している。先行研究や、申請者が行ってきた聴取実験の結果から「英語学習者(英語非母語話者)は静かな環境で英語を聞き取ることができても、雑音や残響が入ると途端に聞き取れなくなる」ことが分かっている。日本人英語学習者が雑音・残響環境下で英語音声を正確に聴取できるようになるための訓練教材の開発をこれまでに進めてきた中で、個人差が結果に与える影響が大きいことが明らかになった。本研究では、さらに効果的なシステムに発展させるため、母語音声および非母語音声の聞き取り能力の測定と比較を行い、個人にとってより最適な訓練環境の特定を目指す。

研究実績の概要

グローバル化によって、共通語として使用される英語は母語話者よりも非母語話者の数の方が圧倒的に多くなった。英語をLingua Francaとして用いる中、非母語話者として英語を正しく聞き取ることは重要である。これまでに行われてきた数多くの先行研究の結果によって、母語話者と非母語話者の聞き取り能力には違いがあることが明らかになった。たとえば、教室のような静かな聴取環境下では聞き取れたとしても、雑音が共存する環境下では聞き取りが低下することが分かっている。このような聴取の低下は、習熟度が高い非母語話者にも見られる。

研究代表者は、非母語話者の聞き取り能力の目標として、雑音や残響の中で非母語音声を聞き取ることができるようになることを挙げて研究を行ってきた。様々な英語能力や海外在住経験を持つ(または持たない)日本人英語学習者を募り、様々な種類およびレベルの雑音や残響の中で英語音声を聞いてもらい、どの聴取環境で、どの音の聞き取りが難しいのか、また正しく聞き取れない場合は何に聞き間違えてしまうのか調査してきた。調査を進める中で、習熟度のみでは説明ができない「個人差」があり、結果に影響を与えることも分かってきた。したがって、本研究では、日本人英語学習者の個々人の聞き取りベースラインとして、まずは日本語の聞き取り能力の測定を行い、その結果を非母語音声の聞き取り能力と比較することを一つの目的とした。

2021年度までは、新型コロナウイルスの流行によって当初予定していた対面実験ができなくなったため、オンライン実験に切り替える準備等に時間を使った。その後、データをオンラインで収集し、分析を行っているが、当初予定よりも詳細な分析が必要であると判断したため、研究期間を延長して分析を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初は2022年度までにプロジェクトが完了する予定であったが、新型コロナウイルスの流行により、実験方法等を大幅に変更する必要があり、研究遂行に大きく影響した。データを収集することができたのは結局2022年度になってしまったが、無事に実験を行うことはできた。データの分析を行っているが、より詳細な分析(例えば実験参加者別のデータを細かく分析する、実験の刺激として使った日本語および英語の文ごとに分析する、またそれらの解釈)が必要と判断したため、研究期間をさらに1年間延長した。なお、これまでの研究成果としては、日本人英語学習者による雑音残響下の英文聴取の結果について、また日本語母語話者の母語聴取について、学会と論文で数件発表を行った。

今後の研究の推進方策

実験を計画していた当初は、言語別(日本語と英語)、実験参加者は英語習熟度、というグルーピングでのデータ分析を想定していたが、それではやや大雑把すぎる分析になってしまうと判断した。実際にデータを眺めてみても、グループごとの平均値や「日本語」「英語」というように大きな枠組みでデータを分析するだけでは足りなさそうであることが分かった。したがって、時間をかけ、言語別という大きい枠組みではなく、各言語内で文章ごと(ひとつひとつの刺激ごと)、実験参加者の英語習熟度という大きい枠組みではなく、個々人のパフォーマンス傾向など、細かく分析を行う予定である。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] オークランド大学(ニュージーランド)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Word identification of New Zealand English by native Japanese listeners with and without exposure to New Zealand English2023

    • 著者名/発表者名
      C.T. Justine Hui, Hinako Masuda, Yusuke Hioka and Catherine I. Watson
    • 雑誌名

      Acoustical Science and Technology

      巻: 44 号: 1 ページ: 29-32

    • DOI

      10.1250/ast.44.29

    • ISSN
      0369-4232, 1346-3969, 1347-5177
    • 年月日
      2023-01-01
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Auditory and written perception of Japanese sequential voicing2023

    • 著者名/発表者名
      Timothy J. Vance, Manami Hirayama and Hinako Masuda
    • 雑誌名

      Radek Skarnitzl & Jan Volin (Eds.), Proceedings of the 20th International Congress of Phonetic Sciences

      巻: - ページ: 2080-2084

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] Auditory and written perception of Japanese sequential voicing2023

    • 著者名/発表者名
      Timothy J. Vance, Manami Hirayama and Hinako Masuda
    • 学会等名
      20th International Congress of Phonetic Sciences (ICPhS)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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