研究課題/領域番号 |
20K00775
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
石原 知英 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (80583559)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | TILT / 英語教育 / 通訳翻訳 / 仲介 / 仲介能力 |
研究開始時の研究の概要 |
2010年以降、通訳翻訳研究の分野では、TILT(Translation in Language Teaching)の考え方が広がっている。これは、近年の外国語教授法の中で看過されてきた学習者の母語、とりわけ翻訳活動を活用しようという機運であり、通訳翻訳という仲介行為を外国語コミュニケーションの一形態とみなすことに特徴がある。本研究では、場面と目的を明確にしたコミュニケーションとしての翻訳タスクを開発し、教室で実践するための手立てを考察することと、その効果について、言語項目の習得と仲介能力の育成という両側面から測定・評価を行うことで、教室における訳の活用について、その利点と限界を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、3種類の翻訳タスク(ピアスピーチ通訳演習、字幕翻訳タスク、仲介的なリテリングタスク)を開発し、それらを活用した実践を行った。また、主に言語習得と仲介能力の育成という2つの観点からその効果の検証を行った。具体的な研究成果として、(1) 読解中の翻訳タスクは偶発的な語彙学習を促すこと、(2) ピアスピーチ通訳演習タスクを通して、通訳不安の低減、通訳のパフォーマンス(特にデリバリの側面)の向上、訳すことの認識の深化が促されること、(3) 仲介的なリテリングタスクを通して仲介方略の使用感が増加すること、(4) 字幕翻訳演習を通して訳に対するイメージに変容が起きること等を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、TILTの考え方をベースとした具体的なタスクの例が提案されたこと、またその実践と検証を通して、教室における訳の活用について、その利点と限界の一端が明らかになったことが挙げられる。また、検証の中で、言語習得的な観点に加えて、学習者の訳すことについての認識や、仲介能力の育成(方略の使用)についての検討が進められたことは、これまで英語教育の文脈の中で十分に理解されていない「訳すことは、言語コミュニケーションの一形態(仲介)であり、外国語使用者・学習者に特有の日常的なコミュニケーション行為である」という点についての理解を深めるとともに、これからの英語教育への応用が期待される。
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