研究課題/領域番号 |
20K00778
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
中浜 優子 慶應義塾大学, 環境情報学部(藤沢), 教授 (50343215)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | バイリンガルマインド / ストーリーの認知 / L2言語行為 / ストーリーテリング / 語用論的能力 / 語り / 学習環境 / タスク / 認知的習熟度 / 英語熟達度 / 発話行為 / 教材開発 / 認知的成熟度 / 第二言語習得 / L2教材開発 / ストーリーリテリング |
研究開始時の研究の概要 |
社会・経済のグローバル化が著しく進む中,多文化間での共通言語による円滑なコミュニケーションの必要性は益々高くなってきている.本研究の究極的な目標は,英語学習者による,コミュニケーション能力の素地を養うための指標を提示することである. 具体的には,語用論的能力が顕著に表出される「発話行為」と「語る行為」に着目し,複数の切り口から調査することにより,語用論的能力習得プロセスの解明に努める.また,その結果を受け,コミュニケーション能力を促進するための指導法を考案し,効果検証を行う.最後に,効果のあった指導法を基に,時代を反映する学習教材を開発する予定である.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,英語学習者のストーリーテリングとL2言語行為を 認知的成熟度や,英語熟達度,母語や学習環境という側面からそれぞれ分析し,習得のプロセスを解明することである。学習環境の影響を見るためシンガポールの中学校でこれまでに収集したデータの分析を進めるとともに,シンガポールの協力校でのデータ収集を2024年3月に予定していたが,実施遅延となったため,その部分は遂行可能性が低くなった。中国語を母語とする英語学習者のデータ分析に時間がかかってはいるが2024年度中には分析を終わらせ,結果を報告する予定ではある。
本年度は,上記の研究目的のうちの学習環境を探求する一つの切り口として,幼少期から日本語と英語を同時に習得している日英同時バイリンガルと日本語が母語の英語学習者を対象に共同的調査を行った。具体的には,日本と西洋のフェアリーテールのストーリー展開が大きく違うことに対する上記2グループ間の認識の違いを調べた。その結果,日英同時バイリンガルと英語学習者では,前者が日本と西洋のストーリー展開のギャップに違和感を覚える傾向があるのに対し,後者の英語学習者は文化の違いとして捉え,ストーリー展開の認識を棲み分けさせていることが分かった。このことから,二言語話者は常に二つの世界を同時に生き(すなわちPavlenko(2014)がいうところの「バイリンガルマインド」を持ち),それぞれの文化への帰属意識があることからお話を棲み分けるということがなく,それが違和感という形で現れたのではないかと考察する。この研究結果は,2024年1月に,共同研究として,国際学会で口頭発表を行った。日英バイリンガルと英語学習者の人数差が大きかったため,結果の一般化が難しく,現在追加データを収集中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス蔓延により二年遅れを生じたが、徐々に進められてはいる。2024年度が最終年度となるので、それまでに本研究のデータ収集・結果が発信できればと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年9月末までにデータ収集を完了させ、結果をまとめる予定をしている。予備研究結果をそれまでに学会誌に投稿予定をしている。今相談中ではあるが、研究成果を報告するため、海外研究協力者を日本に招聘し、パネルセッションを行うことができればと考える。対面で実施がかなわない場合、オンラインによるセッションを予定する。
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