研究課題/領域番号 |
20K00779
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
秋山 真一 上智大学, 外国語学部, 教授 (90636276)
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研究分担者 |
朝妻 恵里子 慶應義塾大学, 理工学部(日吉), 准教授 (00744806)
佐山 豪太 上智大学, 外国語学部, 准教授 (60824480)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 音声表記 / ロシア語教育 / ロシア語 |
研究開始時の研究の概要 |
ロシア語の学習者向け音声表記には従来、キリール文字の上にひらがな・カタカナによるルビを振る方式が採用されてきたが、本研究ではラテンアルファベットを用いた音声表記を体系化し、その有用性について実験を行う。 実験ではまず、ロシア語の文にひらがな・カタカナによるルビを振ったものと、ラテンアルファベットによる音声表記を振ったものの両方をロシア語学習者に提示する。それをもとに学習者に音声を発出してもらい、録音する。それぞれ録音した音声をロシア語母語話者に聴きわけてもらい、どちらがより許容し得るかを判定してもらう。実験データに統計的な処理を施し、ラテンアルファベットによる音声表記の有用性を検証する。
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研究実績の概要 |
本研究は初級のロシア語学習者に対して従来のひらがな・カタカナによる発音表記ではなく、ラテンアルファベットを用いた発音表記を提示することによって、よりロシア語本来の発音に近い音の発声を学習者に促せるか否かを実験(アンケート調査)によって検証することを目的としている。ロシア語で用いるキリール文字は表音文字ではあるが、ラテンアルファベットでは見られない文字も多数存在するため、従来初学者向けの教科書などではキリール文字の上にひらがな・カタカナによるルビが発音表記として振られてきた。本研究の目的はラテンアルファベットによる新たな発音表記を提案し、大学における第二外国語としてのロシア語学習者を対象に、ひらがな・カタカナとラテンアルファベットのどちらを発音表記として参照し発音したものが、ロシア語のネイティブスピーカーにとって、より許容できる発音かを判断してもらうことである。 ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に伴って研究におけるさまざまな障壁が生まれ、研究に遅れが生じたが、2023年度に予定していた本実験は7月に2つの大学から12名の被験者を対象に行うことができた。実験の結果収集できた音声データをネイティブスピーカーに採点してもらうこともできた。採点内容の分析結果も研究代表者だけでなく研究分担者も独自に行い、それぞれ得られた結果を3月に「ロシア語教育のパースペクティブ」というシンポジウムで口頭発表することができた。同シンポジウムではさらに研究協力者からも「会話の授業で観察される日本語母語話者によるL2ロシア語のアクセントやイントネーションとコミュニケーション・ブレイクダウン」という発表を行ってもらうことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の最大の課題であった音声実験・ネイティブスピーカーによる採点・採点データの分析・シンポジウムにおける口頭発表のいずれも終了しており、残された課題は研究成果を論文にして公開することのみとなっている。 2024年3月に実施したシンポジウム「ロシア語教育のパースペクティブ」において研究代表者は「ラテンアルファベットによるロシア語音声表記の妥当性をめぐって ―第二外国語としてロシア語を学ぶ大学生の事例から―」という口頭発表を、研究分担者1名からは「初級学習者に向けたロシア語の発音表記の検討 ―仮名とラテン文字表記を比較した実証研究を通じて―」という口頭発表を行った。
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今後の研究の推進方策 |
研究代表者・研究分担者ともに教育系学会の会誌に研究結果を論文として公開するためのエントリーを済ませた。論文として会誌に採用されれば成果の発表も達成されることになる。仮に論文として採用されない場合は別途論集を刊行して成果を公開する予定である。
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