研究課題/領域番号 |
20K00785
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
飯野 厚 法政大学, 経済学部, 教授 (80442169)
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研究分担者 |
ウィスナー ブライアン 法政大学, 文学部, 教授 (10440257)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 発音 / HVPT / 復唱 / 明示的指導 / シャドーイング / 発音教育 / 摩擦音 / 知覚 / 調音 / 機能負荷量 / 音声(音韻)カテゴリー / HVPT(高変動音素訓練) / 誤認 / 代用 / 発音指導 / コンピューター利用の英語学習 / CAPT(コンピュータ利用の発音教育) / 高変動音素訓練(HVPT) / コンピュータ利用発音訓練(CAPT) |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の課題は、日本人英語学習者の発音における、明瞭性、理解可能性、流ちょうさを向上させるため、コンピュータを活用した指導法の効果を探ることである。日本人英語学習者を対象に、コンピュータによる高変動音素訓練(HVPT: High Variability Phonetic Training)とシャドーイング訓練を一定期間施し、音読とスピーキング課題によって明瞭性、理解可能性、流ちょうさ、さらにモデル音声のアクセントへの学習者の意識変化を調べる。本研究の特徴は、HVPTによる分節音、シャドーイングによる超分節音の両面から発音の向上を試みる点、世界の英語への学習者の許容度の変化を探る点である。
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研究成果の概要 |
英語発音教育の手立てとして、コンピュータを利用した高変動音素訓練(HVPT)時に刺激音の復唱、明示的調音指導、シャドーイング活動の処遇を段階的に導入する実証研究を行った。その結果、明示的指導を加えること、さらにシャドーイング活動を加えることによって、知覚および調音において一定の有意な効果が観察された。とりわけ、明示的指導を加えた条件で/l/の調音に顕著な効果が観察された。また、シャドーイングを加えた条件では/f/の調音も大きな効果が見られた。一方、知覚の伸張は処遇による顕著な差異がなく、全体として調音においても処遇条件による伸び幅の差異は顕著ではなかった。処遇間の一貫性が課題と明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多様な英語が国際共通語として使用される中、変種を含めた識別困難な音素を聞き分けられる知覚能力の育成とともに、発音するときの明瞭性を確保することは英語教育において重要な課題である。一方、発音指導のためだけに、限られた指導(学習)時間の枠を大きく取ることは現実的ではないことから、コンピュータを使って自律的に学ぶ体験を積むことで、音声化を伴ったHVPTによって知覚能力の着実な育成が可能なこと、復唱やシャドーイングなどの音声化活動を随伴させることがある程度の有効な手立てであることを示せたことは意義深い。一方、知覚能力とともに調音能力育成においてどのような条件で指導(学習)すべきか課題も明らかになった。
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