研究課題/領域番号 |
20K00795
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
|
研究機関 | 広島修道大学 |
研究代表者 |
石塚 浩之 広島修道大学, 人文学部, 教授 (40737003)
|
研究分担者 |
船山 仲他 神戸市外国語大学, 外国学研究所, 名誉教授 (10199416)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 同時通訳 / 順送り訳 / 相関モデル / 心の理論 / 対人認知 / 通訳訓練 / 認知処理 / 通訳教育 / コーパス / 発話理解 / 談話処理 / 概念構築 / 語順処理 / TILT |
研究開始時の研究の概要 |
同時通訳の訳出には言語間のコード変換を超えた処理が不可欠である。これは英語と日本語のように統語的差異の大きい言語を扱う場合、特に顕著である。同時通訳記録を分析すると、こうした訳出処理の実態を探ることができる。本研究では、同時通訳データベース(JNPCコーパス)に基づく訳出分析により、同時通訳の基盤となる認知処理を明示化する。これにより通訳者養成の訓練に理論的根拠を与え、外国語教育および異文化コミュニケーションの実践への通訳訓練の応用へ向け、同時通訳の仕組を理論化する。基礎理論としては「言語コミュニケーションの概念-意味相関モデル」を採用する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、同時通訳付記者会見から構築した同時通訳データベース (JNPCコーパス) に基づく訳出分析により、同時通訳の基盤となる認知処理を明示化した。特に原発話に対応する要素のない指示詞が訳出に現れる現象に着目することで、同時通訳における順送り訳が漸進的・全体的と逐次的・局所的処理の両面が並行して進むことにより実現されていることを実証的に示した。さらに、相関モデル (船山, 2020) に立脚し、通訳者の認知処理の根底に通訳者の対人認知の働きがあることを指摘した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
通訳教育においては常に「言葉にこだわらずメッセージをとらえよ」と語られる。しかし、言葉とメッセージの違いに関する説明には不十分な領域が多く残されている。本研究は、同時通訳データに頻繁に現れる現象に注目し、その背後にある認知処理を分析することで、同時通訳の順送り処理を可能とする認知処理の特徴を漸進的・全体的処理と逐次的・局所的処理の並行処理として具体化した。さらに、その背景として、通訳者の対人認知の働きがあることを指摘した。これにより、通訳者養成の訓練に理論的根拠を与えるとともに、同時通訳の仕組の理論化を試みた。
|