研究課題/領域番号 |
20K00805
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 群馬県立女子大学 |
研究代表者 |
飯村 英樹 群馬県立女子大学, 文学部, 教授 (30382831)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 再現 / 復唱 / 書き取り / 暗唱 / 書写 / 誤答分析 / 語数 / 主語の有生性 / リードアンドルックアップ / ディクテーション / リード・アンド・ルックアップ / 書きとり / Read and look up / 英語学習 / 再現活動 / 音声情報 / 文字情報 / 作業記憶 |
研究開始時の研究の概要 |
英語学習において再現を目的とする活動は、①復唱、②書き取り、③暗唱、④書写の4つに分類でき、どの活動も入力・記憶・出力という3つの段階を経ている。本研究の目的は,これら4つの活動の難易度を比較検証し、どの段階において学習者がつまづくのかを明らかにすることである。さらにどの再現活動が学習者の英語力を最も向上させるのかについても実証的に調査する。本研究の成果によって、各再現活動の特徴が明らかとなり、英語の授業においてこれらの活動を効果的に導入できるようになると考えられる。
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研究実績の概要 |
研究最終年度である本年度は、3年目に実施した日本人大学生18名を対象とする研究の追実験として、参加者を45名に増やして実験を行った。分析の結果、音声インプットである復唱と書き取りは、語数が増えると再現が困難になり、9語以上になると復唱については更に難しくなることが分かった。一方、文字インプットである暗唱や書写は、語数が増えても再現の難易度に大きな変化はなかったが、12語文のみ暗唱が困難になることが明らかになった。主語の有生性に関しては、再現活動の違いに関わらず、無生主語の英文の方が有生主語の英文よりも再現が難しいことが認められた。 質的な面からは誤答分析を行った。その結果、いずれの活動においても内容語が機能語よりも再現率が高くなることが分かった。また活動に共通する誤りとしては無回答(脱落)が最も多かった。各活動の特徴的な誤りとして、音声インプットの活動(復唱や書き取り)の場合は、音の類推による誤りがみられた。音声アウトプットの活動(復唱や暗唱)では、発音の誤りは少なく無回答が多かったが、文字アウトプット活動(書き取りや書写)では、とりあえず書いてみるという傾向がみられた。 セットフレーズで覚えているものを答えたと考えられる誤りや、音や綴りではなく、学習者自身が文の意味を考えて構築したと思われる誤りも観察された。また系列位置効果の影響によって、文中が最も再現率が低く、次いで文末、文頭の再現率が最も高くなるという結果になった。この傾向は10語以上の文で顕著だった。 以上のことから、再現活動において難易度を決定する最も大きな要因は、インプット段階における英文の提示方法であり、語数及び主語の有生性も影響を与えると考えられる。また誤答分析の結果から、再現活動は単なるオウム返しではなく、文法的・意味的処理を伴う認知的なプロセスであると考えることができる。
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