研究課題/領域番号 |
20K00812
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 大東文化大学 |
研究代表者 |
姫田 麻利子 大東文化大学, 外国語学部, 教授 (50318698)
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研究分担者 |
呉 栽喜 大東文化大学, 文学部, 教授 (40326989)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 多文化共生保育 / 複言語 / 異文化間 / メディエーション / 家庭言語政策 / 多文化家庭支援 / 保育者 / カルチュラルコンピテンシー / ファミリーランゲージポリシー / 文化間 |
研究開始時の研究の概要 |
滞日外国人支援の事例分析から、外国語教育の新しい目標能力を検討したい。本研究では、保育者の日常的職業実践における外国人(子どもと保護者)支援を対象とする。外国語教育の研究者と家庭福祉分野の研究者が領域を越え共同で、保育者へのインタビュー調査を行ない、支援技能における職業的専門性と、複言語および異文化間能力の関係を分析する。 CEFR増補版により「メディエーション」概念が再定義され、外国語教育の目標に言語文化間を移動する人びとを支援する力が導入された。他方、日本の社会福祉分野では、多文化家庭支援における専門性の定義が課題となっている。本研究は、この二つの潮流に同時に位置する。
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研究成果の概要 |
調査票にもとづく先行研究は、保育士たちが翻訳や通訳に骨を折る一方で保育所の規範を含む自らの文化的価値観を振り返るには至らない実状に着目するが、インタビュー調査を終えて強調したいのは以下の点である。 保育士たちは規範意識より保護者との信頼関係構築を優先し、複数言語および絵や写真、身ぶりを組合せたコミュニケーションコードを日々開発している。しかし、子どもの複数言語使用に関しては、その発達ケースを知っている保育士と知らない者とでは態度に差があり、後者は言語的混乱を恐れ、家庭の言語政策に介入する。多言語多文化化が可視化されている環境においても、教育に対するモノリンガルな観念は根強く残る。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本で働き生活する外国人が公共サービスの恩恵を受けられる環境の整備として、多言語・多文化対応がすすめられているが、多様性を受け入れる意識・態度や行動は職業的専門性のなかでどのようにあらわれ、どのように発展するか。事例研究により、保育士の保護者に対する創造的複数言語使用の発展性と子どもに対するモノリンガル規範の固定化という相反的態度を記述し、養成に必要な知識項目を提案できた。言語教育の研究者と社会福祉の研究者の協働により、(少数派の主流言語能力発展とではなく)主流言語話者のケアする能力という視点にもとづいて、メディエーション(他者との距離を縮める働き)概念の多義性を主張している。
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