研究課題/領域番号 |
20K00819
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 東洋大学 (2022-2023) 金城学院大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
馬場 今日子 東洋大学, 文学部, 教授 (30454333)
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研究分担者 |
新多 了 立教大学, 外国語教育研究センター, 教授 (00445933)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 第二言語習得 / ライティング / 発達パタン / 複雑系理論 / 長期的研究 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らは、複雑系理論を用いたこれまでの研究で、日本人英語学習者が同一のライティングタスクを1年間繰り返した場合、個人のライティング発達に特定のパタンが生まれることを明らかにしてきた。しかし、これまでの研究では少数の個人の発達パタンの比較にとどまっているため、一般化が難しかった。そこで本研究では500名を超える学習者について、新たな統計手法を用い、個人内発達パタンを分類・モデル化する。その上で、作文やインタビューを質的に分析することで、それぞれの個人内発達パタンにつながる要因を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は、日本人大学生の英語学習者がライティングタスクを毎週、1年間繰り返した場合、ライティングにおける流暢さにどのような変化が起こるのかについて複雑系理論のアプローチから調べた。105名の学習者について、一般成長曲線分析を行った結果、発達の仕方は3つのグループ(停滞、着実な成長、顕著な成長)に分類することができ、その分類には内省コメントのタイプが有意に影響していたことがわかった。さらに、高成長・低成長グループに分類された学習者の作文と内省コメントを質的に分析した結果、成長率の高い学習者は問題解決のための具体的方策を内省コメントに書いたり、タスクに対して肯定的な態度を示していたことがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、教室内で全学習者が同じタスクを行ったとしても、タスクへの向き合い方や行い方には個人によって違いがあるため、発達の仕方にもグループレベルで違いが生じることを示した。これは、従来の変数中心主義に一石を投じる結果である。また、本研究は実際の教室で様々な要因の影響がありながらも、現実的かつロバストな研究結果を引き出すことに成功した。これによって焦点となる変数以外をコントロールする実験室型の研究にも疑問を投げかけた。さらに高成長・低成長学習者を比較し、どのような要因がその発達の仕方の違いを生んでいるのかについて調べ、実用的な教育的示唆が得た。
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