研究課題
基盤研究(C)
言語景観研究はこれまで、主に地理学、社会学、社会言語学などの分野において進められてきたが、多言語化する現代社会においては、外国語教育の分野における言語景観研究の成果の活用も喫緊の課題である。インバウンド観光客や在留外国人を想定したと思われる掲示やアナウンスには、綴りの間違い、明らかな文法の間違い、慣用から外れた用法など、英語として間違った例もしばしば見られる。本研究では、日本の言語景観における英語使用についての現状を把握し、言語景観調査のプロセスおよびデータ分析の結果を英語教育に生かすことを目的とする。
研究開始当初は、COVID-19の影響によりフィールドワークの実施が難しかったが、研究代表者の地元である神戸や世界的観光都市である京都に焦点を当てた小規模調査を無理のない範囲で進めた。2021年度後半には所属大学の在外研究制度を利用し、オーストラリアで約3か月間のフィールドワークを行い、20名以上を対象にインタビューを実施した。その後、台湾国立清華大学のコンピュータサイエンス学部に訪問学者として約3か月間滞在し、これまでに収集した言語景観のデータを教材として活用する方法を検討すると同時に、誤りの事例を含めた言語コーパスを作成し、英文作成支援ツールの共同開発を新たにスタートさせることとなった。
これまでは一般的に、教室/実験室内で英語学習者の産出した文字/音声が英語の誤用分析の対象であり、実社会の中で、主にインバウンド観光客を対象に用意された英語表記/音声にどのような誤用があるかについては、英語教育の分野では必ずしも重要なデータとはなっていなかった。本研究における言語景観調査によって、実社会で実際に使用されている誤用例を数多く収集することが可能となり、研究代表者の担当する授業では、すでに誤りの事例を含めた簡単な教材をパワーポイントで作成して使用している。今後は、英文作成支援ツールの共同開発において、当該データを言語コーパスの作成に活用していく。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (20件) (うち国際共著 1件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (19件) (うち国際学会 7件、 招待講演 1件)
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