研究課題/領域番号 |
20K00836
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
立松 大祐 愛媛大学, 教育学部, 教授 (10756828)
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研究分担者 |
池野 修 愛媛大学, 教育学部, 教授 (70294775)
多良 静也 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 教授 (00294819)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | リテラチャー・サークル / 話合い活動 / 英語使用状況 / 主体的・対話的で深い学び / 中学校英語教育 / 話合い活動の教授法 / 中学生の談話分析 / アクティブ・ラーニング / 統合型言語活動 / 話合い活動の談話分析 / 英語使用状況調査 / 談話分析 / 中学校英語授業 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らが構築した中学校でのリテラチャー・サークル(LC)授業モデルを踏まえた統合型言語活動の開発と地域への普及のため、次の点を主な研究目的とする。1)LCの話合い活動は中学生の英語使用にどのように影響しているか、英語使用の実態と課題を把握し、指導方法の改善を図る。2)話合い活動における英語使用を複数年調査し、LC活動の指標となり得る英語使用ベンチマークを学年ごとに設定する。3)英語圏のリテラシー教育の取組を日本の英語教育に応用し、主体的・対話的で深い学びを実現する言語活動と教授法を開発する。これにより、中学校における英語授業の改善が期待される。
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研究実績の概要 |
新学習指導要領では、中学校の英語の授業にアクティブ・ラーニングと対話的で協働的な学びの実現を組み込んだ授業の改善を求めている。リテラチャー・サークル(LC)は読んだ内容について生徒主導で行われる協働的なグループディスカッションのことであり、英語の授業をより活動的でコミュニケーション志向にする言語活動として大きな可能性がある。2022年度の研究では、対話的教育の理論的背景とLCの特徴や中学校で実施する際の指導手順について整理し、中学校3年生を対象に行ったLC活動の話合いの観察結果を記録した。4回の発話記録から,生徒の英語使用状況を7つの観点(語数、ターンテイク数、1語発話数、2語発話数、名詞句や副詞句などの句単位の英語使用数、主語と動詞のある文の数、日本語使用の回数)から可視化することを試みた。 活動を通して、発話語数やターンテイクの増加が顕著になった生徒がいる一方、変化があまり見られない生徒も見られた。本研究においては、Questioner以外の3つの役割(Summarizer、Connector、Illustrator)はほぼ同じ発話語数で、Questioner役の発話語数が他の役割よりも多いことが確認された。また、本研究での中学3年生2学期までの3グループ4回分の話合いでは、発話語数は平均すると約755語、文での発話数は約80文であった。これらの数値はLCを実践している教員にとっては指導のための指標になり得る。話合い活動の文字起こしは、生徒が活動においてそれぞれの既有知識を活用し、英文内容とそれに関連する話題について事実や意見・考えをやり取りしていることが明らかになった。 さらに、ICTを活用した中学校でのLC授業の実践例と指導改善案、今後の課題として遠隔・交流授業で行うLC授業の可能性について研究を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度から中学3年生の話合い活動データから英語使用の経年変化を確認しベンチマークの調整を行っている。研究協力校の中学2年生においてもLC指導はスムーズに進めることができる指導手順の研究が進んだ。さらに、公立中学校1年生で実践できるLCの手法を活用した統合的で対話的な言語活動の指導システムをICTを活用した授業モデルとして開発することができた。中学3年生における英語使用のベンチマーク設定のための研究は進んでいる。中学2年生の場合は話合いデータが少ないものの、数グループのデータの文字起こしを進めることができた。 LC指導の普及について、松山市教育研修センターや愛媛県総合教育センターの協力により、LC指導のための教員セミナーを複数回開催することができ、県内において実践できる教員が増加傾向にある。 新学習指導要領では、「読んだことについて話したり書いたりすること」の対話的な学びのための指導は多くの学校で求められるようになった。英語圏のリテラシー教育を応用し、中学校英語教育の改善に資する指導法を開発する予定であったが、新型コロナウイルスの感染拡大により、海外でのベンチマーク指導と評価の事例研究としてシアトル市内の学校で授業観察と資料収集を行うこと、学術交流協定校のカリフォルニア州立大学サクラメント校等での学会発表と資料収集については実施できない状況にあった。
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今後の研究の推進方策 |
LCを継続的に実施し、中学校の全ての学年の話合いを録画し記述することである。話合い内容と英語使用状況を明らかにすることは,生徒の対話プロセスの理解と英語使用の変容把握,本言語活動の改善のために必要である。さらに、生徒がいかに既習事項を活用して英語コミュニケーションを行っているか、生徒が「主体的・対話的で深い学び」を実現しているか判断したい。生徒が主体的に話し合い活動を進め,創造的な対話を実現するためには読みの役割が重要である。話し合い活動のデータは、読みの役割の準備や内容、話し合う方法について指導のヒントと工夫について示唆を与えると考えられる。話合いデータの文字起こしは大変時間がかかるが、長期的なデータ蓄積と効率的な分析のため、ICTを効果的に活用した研究方法の確立が期待される。 英語圏のリテラシー教育を応用し、中学校英語教育の改善に資する指導法を開発する予定である。指導と評価の事例研究としてシアトル市内の学校で授業観察と資料収集を行うこと、学術交流協定校のカリフォルニア州立大学サクラメント校等での学会発表と資料収集について実施できるよう相手校と調整を行う予定である。
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