研究課題/領域番号 |
20K00841
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
八木橋 宏勇 杏林大学, 外国語学部, 准教授 (40453526)
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研究分担者 |
花崎 美紀 法政大学, 情報科学部, 教授 (80345727)
吉川 厚 東京工業大学, 情報理工学院, 東工大特別研究員 (50444120)
花崎 一夫 東邦大学, 薬学部, 教授 (40319009)
菊池 聡 信州大学, 学術研究院人文科学系, 教授 (30262679)
多々良 直弘 桜美林大学, リベラルアーツ学群, 准教授 (80383529)
藤原 隆史 松本大学, 教育学部, 准教授 (10824097)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 英語教育 / 論理的思考力 / 効果測定テスト |
研究開始時の研究の概要 |
近年、英語教育では、英語という言語の側面を教えるだけでは不十分で、論理的思考力の涵養も図られなければならない状況にある。まもなく高等学校の外国語科目として「論理・表現Ⅰ~Ⅲ」が導入されるが、カリキュラムに組み込まれる以上「英語力と論理的思考力を同時に養成する効果的な教育手法の確立」「教育の成果を測定する手段の開発」は早急に行われなければならない。このような状況に積極的な貢献を果たすべく、一部先行実施してきた英語による論理的思考力テストの研究・開発の成果を基に、モデル教材・テストの開発・配布、テストデータの公表等を行うとともに、他科目にも教育手法・効果測定法を波及させることを目指している。
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研究実績の概要 |
本研究は、英語学修を通して論理的思考力を伸張させる教育手法とその効果測定テストの開発を目標とし、①「論理的思考力とは何か」を精確に突き止めること、②英語学修を通して論理的思考力を育成する教育的手法を開発するために「どのようにしたら論理的思考力を伸ばすことができるのか」を探求すること、③教育効果の適切な測定を目指すため「論理的思考力の伸張をいかに測定するか」を導き出すこと、以上3つの問いに最善解を与えることを目指している。 2023年度は、公益財団法人日本英語検定協会および一般財団法人日本生涯学習総合研究所の協力を得て我々が全国的に中学生・高校生・大学生を対象に実施して来た英語力テストおよび論理的思考力テストの結果分析をあらためて精査したうえで、外円圏に分類されるマレーシアで同様のテストを実施した。「英語テストと論理的思考力テストの関係」ならびに「論理的思考力テストと批判的思考態度との関係」を中心に分析し、①論理的思考力は年齢とともに強化されるものではないため教育することが肝要であること、②教育においては批判的思考態度と(英語力との相関が高いという分析結果から)英語教育とリンクさせると効果的であること、③論理的思考力の4つの下位区分(分析Logic1・評価Logic2・推論Logic3・表現Logic4)のうち、英語テストとの相関は分析(Logic1)・評価(Logic2)・表現(Logic4)が高く、推論(Logic3)は別の方略を検討しなければならないことが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度は、4か年にわたる研究計画の最終年度であったが、「やや遅れている」状況である。これは、コロナ禍により分析データの収集を目的とした海外での調査(テスト)の実施が大幅に遅れたことに拠る。概要で示した通り、英語力と論理的思考力ならびに批判的思考態度には高い相関が見られることが(拡大円圏の日本以外に、外円圏のマレーシアで実施したテストでも)確認されたことは大きな成果であった。一方で、論理的思考力の下位区分のひとつ「推論(Logic3)」については、英語力とは関係性が薄く、いかに伸長させるか検討すべきであることも明らかとなった。本研究課題は、1年間の延長が認められたことから、早期提言に向けて引き続き研究を推進していく。
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今後の研究の推進方策 |
外円圏と拡大円圏でのデータがそろったことから、随時研究成果を公表しながら、最終的な提言をまとめる作業に着手する。また、論理的思考力テストと語学力テストとの相関が高いことは明らかとなったが、使用言語への文化的な影響はあるのかどうか、言語文化圏ごとに論理的思考力に関する何かしらの特徴は見い出せるのか、日本とマレーシアでの事例を中心に先行研究と照らし合わせながら検証していく。
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