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相互行為的社会言語学の知見に基づく英語インタラクション指導の実践的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K00849
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02100:外国語教育関連
研究機関京都女子大学

研究代表者

大谷 麻美  京都女子大学, 文学部, 教授 (60435930)

研究分担者 大塚 容子  岐阜聖徳学園大学, 外国語学部, 教授 (10257545)
重光 由加  東京工芸大学, 工学部, 教授 (80178780)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
キーワード英語教育 / インタラクション / 相互行為 / コミュニケーション / 英語会話 / 指導法 / 指導方法 / 社会言語学
研究開始時の研究の概要

本研究の目的は、日・英語の間のインタラクション方法の違いに関する先行研究の成果を英語教育に取り入れ、英語会話でのインタラクション指導法を検証・考察するものである。具体的には次の3点を目指す。1) 相互行為的社会言語学の成果に基づいた、インタラクション指導のための教案作成と指導方法の検討を行う。2)その案に基づき実験授業を行い、効果を検証する。3) 今後の英語教育へのインタラクション指導の導入方法と意義を考察する。

研究実績の概要

これまでコロナ禍のために行うことができなかった実験会話データの収集を、5-7月に実施できた。インタラクションの指導前の日本人学生のELF会話のデータを210分、指導後の会話を210分収集した。また、それらの会話の間では、日本人学生を対処とした英語インタラクションの実験授業を4時間行った。各会話の後には、日本人学生と、会話の話し相手であった非日本人学生のフォローアップインタビューも収集した。その後、データ用にその会話の文字化も行った。秋以降は、それらのデータの分析を行い、結果を学会や論文で発表することができた。2023年度は、主に実験前会話に焦点をあてて分析を行った。主な発見は以下の通りである。
1.日人のELF環境での英語会話の分析を行った結果、ほとんどの会話において、会話のリードは非日本人によってとられていること、日本人の発話量、特に自己開示に関する発話量が非日本人と比較して極端に少ないことが分かった。
2.具体的なインタラクションの課題としては、質問に対する返答が非常に少ないこと、自己開示の発話が極端に少ないことがあげられる。
3.フォローアップインタビューの結果から、その要因としては、彼らの英語には、日本語のインタラクション方法の転移が見られること、特に相手に積極的な自己開示を求めることを好ましくないと考えがちな日本語の規範が影響していることを明らかにした。
4. その転移の要因としては、英語会話授業での指導方法、指導形態に課題があることが指摘できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年5月にコロナの位置づけが5類に変更されたことにより、実験会話の被検者となる留学生が戻ってきて、また、対面での会話実験が可能になった。そのおかげで、それまでと滞っていた対面での実験が可能となり、データを収集することができた。
これまでの遅れを取り戻すべく、データの分析も進み、いくつかの学会で発表し、他の研究者たちからのフィードバックを得ることができ、議論を深めることができた。また、分担者と合わせて3本の論文発表も行うことができたため。

今後の研究の推進方策

2024年度は、収集した会話データのうち、実験授業後の会話の分析を進める。そして、それらを実験授業前の会話と比較することで、インタラクションの指導の効果を検証する。また、より効果的な指導方法を検証することとする。
具体的には2024年8月に実施される2つの国際学会(International Association of Applied Linguistics、The Japan Association of College English Teachers)で発表を予定している。その後、そこでの議論の結果を論文にする予定。
また、これまでの調査の結果を踏まえた著書(共著)の出版も秋以降に予定している。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2024 2023 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] 日本人大学生の会話に対する前提認識が英語会話に与える影響 ―英語会話データとフォローアップインタビューから2024

    • 著者名/発表者名
      大谷麻美
    • 雑誌名

      JAAL in JACET Proceedings

      巻: 6 ページ: 49-56

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Interaction of Self-Disclosure by Japanese English Language Learners: Challenges and Pedagogical Implications2024

    • 著者名/発表者名
      Mami Otani
    • 雑誌名

      京都女子大学人文論叢

      巻: 72 ページ: 15-45

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 日本語クラスの教室談話にみられる中途終了型発話 -中上級者クラスのインタラクション分析-2023

    • 著者名/発表者名
      重光由加 大塚容子
    • 雑誌名

      東京工芸大学工学部紀要. 人文・社会編

      巻: 46(2) ページ: 16-23

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 日本語と英語における話題終結の相互行為:ポーズの使用に焦点を当てて2022

    • 著者名/発表者名
      大谷麻美
    • 雑誌名

      京都女子大学人文論叢

      巻: 70 ページ: 1-27

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] 円滑な会話のための英語運用能力の育成 ―語用に焦点を当てた指導の実践―2023

    • 著者名/発表者名
      大谷麻美
    • 学会等名
      大学英語教育学会(JACET) 第62回 国際大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 日本人大学生の会話に対する前提認識が英語会話に与える影響 ―英語会話データとフォローアップインタビューから2023

    • 著者名/発表者名
      大谷麻美
    • 学会等名
      6th JAAL in JACET
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] NS-NNS間の英語会話で何が起こっているのか:インタラクションの観点からの分析2022

    • 著者名/発表者名
      大谷麻美 大塚容子
    • 学会等名
      大学英語教育学会(JACET )中部支部2022年度第1回定例研究会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] インドとベトナムの日系企業における日本人駐在員と現地社員との言語使用及びインタラクションの実態調査2021

    • 著者名/発表者名
      重光由加 岩田祐子 大谷麻美 大塚容子
    • 学会等名
      第60回大学英語教育学会(JACET)国際大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 日本人の英語会話に見る話題の展開方法:話題の積み重ねとラポール形成2020

    • 著者名/発表者名
      大谷麻美
    • 学会等名
      日本女子大学文学部 文学研究科学術交流企画シンポジウム
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 招待講演

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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