研究課題/領域番号 |
20K00852
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 天理大学 |
研究代表者 |
吉田 智佳 天理大学, 国際学部, 准教授 (00388886)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 前置詞選択の難しさ / 前置詞とその前後の要素の関係性 / 前置詞の指導 / 前置詞 / 第二言語習得 / 前置詞の習得に影響を与える要因 / 母語の影響 / 前置詞と補部名詞句の照合 / 動詞と前置詞の照合 / 英語の前置詞の習得 / 前置詞とその日本語訳との対応関係 / 前置詞の困難度要因 / 指導効果 / 日本語母語話者 |
研究開始時の研究の概要 |
前置詞は頻繁に使用される文法項目であり、出現頻度も高い。しかし、前置詞は日本語を母語とする英語学習者が正しく使用するのが難しい項目である。理由は名詞や動詞などの語彙項目と異なり、前置詞は日本語訳を対応させるのが難しいこと、学校で体系的に指導されないことなどが考えられる。 前置詞の習得研究は数多くあるが、「前置詞の習得を困難にしている要因は何か」という視点に基づいた研究が十分ではない。指導法の基盤となるべき習得の基礎研究が未だ不足しているため、効果的な指導法がない。 本研究では、前置詞の習得の困難さの要因を明らかにし、その要因を考慮した指導方法を考案・実践し、その指導の効果を検証する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は日本語を母語とする英語学習者(JLEs)にとって、①前置詞の何が難しいのかを調査し、②その難しさを生み出す要因に基づいた指導法を考案し、③その指導法の効果検証を行うことである。 JLEsにとって難しいのは類似した意味を持つ前置詞の使い分けである。2022年度に前置詞とその前後の要素の関係性に着目し、「前置詞は値を持った意味素性の集合体である」と仮定し、「前置詞とその前後の要素がそれぞれに持つ意味素性が照合される」という素性照合のメカニズムを提案した。この素性照合のメカニズムはChomsky (1995)のMerge(併合)を応用したものである。「JLEsが類似した意味を持つ前置詞の選択を誤るのは、前置詞の意味素性が正しく設定されていないか、あるいは前置詞の手前(あるいは後ろ)の要素の中に前置詞が持つ意味素性と一致する要素を見出せないからである」という仮説を立て、この仮説に基づいて前置詞の難易度順序や前置詞の選択における補部名詞句の影響について調査を行った。 2023年度は上記の仮説の「前置詞が持つ意味素性」を「前置詞の選択制限」と捉え直し、「JLEsが類似した意味を持つ前置詞の選択を誤るのは、前置詞の選択制限が正しく設定されていないか、あるいは前置詞の手前(あるいは後ろ)の要素の中に前置詞の選択制限と一致する要素を見出せないからである」と修正した。この仮説の下で時を表す名詞句と共起する前置詞(at, in, on)をJLEsがどの程度正しく使い分けができるかを調査し、口頭発表を行った。さらに、時を表す名詞句と共起する前置詞(at, in, on)の指導の効果についてもデータを収集させていただいた。この結果は2024年度に発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度までに予定していた調査が行えなかったため、予定よりも遅れてきている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に収集させていただいたデータについて発表を行い、これまでに不備が見つかった点を再検討・修正し、再調査を行う予定である。
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