研究課題/領域番号 |
20K00878
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
石川 圭一 関西学院大学, 法学部, 教授 (40259445)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | incidental learning / intentional learning / implicit knowledge / generalization / grammaticality judgment / oral production / awareness measurement / delayed effects / 第二言語文法 / 偶発的学習 / 意図的学習 / 潜在的知識 / 明示的知識 |
研究開始時の研究の概要 |
言語能力の中心に、限られた単位の組み合わせで、無限の表現を生む能力がある。この創造性は、触れることのできる例から得る知識を般化する能力であり、形態知識の獲得に顕著に現れる。また、幼児は、潜在的にことばを学び、無意識的知識を発達させると言われるが、大人はどうだろうか。外国語の獲得において、無意識の学びは可能だろうか。潜在的学習と明示的学習(意図的学習)はどのように異なるのか。得られた知識の性質は同じだろうか。このような問いを実証的・理論的に研究する。
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研究実績の概要 |
第二言語の文法と語彙は、本来どのように獲得されていくのか、どのように学べば効果があるのか、獲得した知識の性質はどのようであろうか。本研究では、音声提示された第二言語の文中の派生形態規則を、注意を促しながら学んだ(attentional learning)学習者、規則について考えながら学んだ(intentional learning) 学習者が、学習直後と1週間後に、文法性判断テスト(正答率と反応時間を測定)と口頭産出テストを受け、新しい派生規則の学習と般化の程度を調べる。また、直後と遅延時の文法性判断テストでは、文法項目への意識の程度の測定を行い、学習で得られた知識が、どの程度無意識的(または意識的)であるかも調べる。本研究は、第二言語文法の学習効果は、どのような学習をした際に(偶発的 or 明示的、注意 or 意図 )、どの能力に(文法性判断 or 産出)、いつ(直後 or 1週間後)、どのような知識として(無意識的 or 意識的)現れるのかを明らかにしようとするものである。 2022年度は、2021年度後半に開始した本実験を継続した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度は、前半は、attentional learning の実験を7人に対して行った。2021年度後半の13人と合わせて、20人に実験を実施できた。後半は、intentional learningの実験を15人に対して実施した。2023年度の前半に、さらに5人に実施し、20人を確保する予定である。 参加者の募集は、2回参加(1回目と、翌週の同じ曜日に2回目)してもらう必要があるため、参加の希望者・可能者が限られており、募集に苦労している。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度の前半は、本実験を継続する。実験は、まず学習段階において、ある規則が隠された新語を含む英語の文を、品詞(名詞、形容詞、動詞)を作る規則について考えながら、聞いてもらい、直後と一週間後に、文法性判断課題を受け、正答率と反応時間を測定し、さらにフレーム文を口頭で完成させる口頭課題を課し、生成能力面での学習も調べる。また、得られた知識が無意識的か意識的かについても検討する。 実験から得られたデータは、統計処理を施し、結果を、学習のタイプ(注意学習と意図学習)、学習効果(直後と遅延)、知識の種類(潜在的か明示的か)、課題の種類(理解と産出)の交互作用等の観点から比較・考察する予定である。最終的には、第二言語の認知プロセスと学習方法に、基礎的な検討データを提供することが可能となると考えている。
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