研究課題/領域番号 |
20K00881
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 広島文教大学 |
研究代表者 |
八島 等 広島文教大学, 人間科学部, 教授 (80847690)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | CEFR-J / 学習者向け英字新聞 / 語彙カバー率 / 有効性 / フィンランドの学校視察 / 英字新聞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、私が過去3年間、日本教科教育学会で発表をしてきた「CEFR-J の収録語が改訂版高等学校検定教科書においてどの程度用いられているか」という研究の発展として、CEFR-J が日本人英語学習者(とりわけ、高校生・大学生)が遭遇するであろう英字新聞や雑誌、小説に対して、どの程度有効であるかということを調査することを目的とする。 研究方法としては、日本人英語学習者がよく読む英字新聞、雑誌、小説に出現する語を CEFR-J に収められた語がどの程度カバーするのかを調査する。その「カバー率」が、先行研究並びに私の今までの研究結果に基づいて、適切なものかどうかを判断する。
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研究実績の概要 |
本年度は、前年度に調査したものとは別の会社の学習者向け英字新聞におけるヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)準拠の新しい英語能力到達度指標(以下、CEFR-Jという。)の有効性を調査して、昨年度の結果との比較を行った。その調査結果を基に、8月に香川大学で開催された、全国英語教育学会第48回香川研究大会で、「学習者向け英字新聞2紙におけるCEFR-J の有効度の比較」というタイトルで、また、10月に弘前大学で開催された日本教科教育学会第49回全国大会で、「出現頻度から見たCEFR-Jの学習者向け英字新聞2紙に対する有効性の比較」というタイトルで、それぞれ発表を行った。そして、その2つの発表内容をまとめて、『広島文教大学紀要』 第58号に「学習者向け英字新聞2紙におけるCEFR-Jの有効性の比較」 というタイトルで論文を投稿した。結果としては、2紙の学習者向け英字新聞に対するCEFR-Jの有効性には疑問が残るものとなったが、出現頻度から見ると、有効度が増す結果となった。 また、9月に新型コロナウイルス感染症拡大防止で実施できなかったフィンランドの学校への視察を行った。フィンランドの英語教育の水準は世界トップレベルなので、その実情を視察したいと考えていた。ヘルシンキ大学附属の2つの学校を視察した。外国語としての英語をどのように教えているのかを、小・中・高のレベルで視察することができた。必ずしもオールイングリッシュというわけではないが、児童・生徒に英語を十分に使わせる授業が大変印象的であった。文法の説明もきちんと行われており、日本とは違い、長文の中や、長いリスニングの中で何度もターゲットとなる文法項目が出てくるように教えていた。いわゆる「インプット洪水」というもので、フォーカス・イン・フォームでの教え方が印象に残った。残念ながら、CEFRについて意識したものではないことがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度までは上記の通り、新型コロナウイルス感染症拡大防止で学会の中止・延期、海外渡航の禁止があったため、予定よりも進行が遅れていたが、本年度は、学会発表も予定通りでき、その上、フィンランドの学校視察もできた。残念ながら、ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)への関心は低かったが、英語の指導法に関して、今後のヒントとなるような事例をいくつも視察することができた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、2紙の学習者向け英字新聞に対するCEFR-Jの有効性にはいずれも疑問が残るものとなったので、日本における別のWordリストであるJACET8000が学習者向け英字新聞に対してどの程度有効であるのかを調査して、CEFR-Jの有効性との比較を行う予定である。その調査結果を最低2つの学会で発表を行い、本学の紀要に投稿することを予定している。 また、できれば、今度はイギリスの学校視察を行い、母語としての英語教育の方法を見てみたいと思っている。更に、外国語の指導法についても視察したいと考えている。
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