研究課題/領域番号 |
20K00893
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 桜美林大学 |
研究代表者 |
熊澤 雅子 桜美林大学, グローバル・コミュニケーション学群, 准教授 (20386478)
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研究分担者 |
BREWSTER Damon 桜美林大学, グローバル・コミュニケーション学群, 教授 (60458726)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 教育政策 / 言語政策 / 外国語教育 / 高等教育 / EMI / 言語教育政策 / グローバル化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、英語を媒介用語とした(English as a medium of instruction、以下「EMI」と表記する)授業を行う4大学を、質的研究手法を用い長期的に調査することで、学生、語学教員、専門科目教員などの異なるグループのEMIのステークホルダーが認識する利点と弊害にどのような共通点と相違があるのかを明らかにする。日本の3大学に加え、比較としてEMIの導入の歴史や状況、英語の社会的役割の異なるスウェーデンの1大学、計4大学からデータを収集することで、EMI実施における「日本固有」の問題点を考察しつつ、日本の枠を超えた汎用的な知見の獲得を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、英語を媒介用語とした(English as a medium of instruction、以下「EMI」と表記)授業を行う日本の大学において、異なるステークホルダーがEMIの利点と弊害をどのように認識しているか、またその認識に相違点と共通点があるのかを質的研究手法を用いて調査することを目的としている。比較のため日本の大学に加え、EMIの 導入の歴史や状況、英語の社会的役割の異なるスウェーデンの大学からのデータを共同研究者を通じて収集し、EMIにおける問題点を広い視点で考察する。研究初年度より新型コロナウイルス感染症の影響で様々な制約の中で研究を行なってきたが、2022年度は徐々に研究活動の枠が広がり、当初計画に近い形で研究を行えるようになった。 2022年度の実績としては、EMI準備語学コースの教員からオンラインインタビューでデータを収集し分析した。その結果、語学コースの教員の多くはEMIのニーズを明示的には把握していないことが示され、今後の改善点として、語学準備コースの目的をより具体的に教員と共有する必要性があることが明らかになった。 研究発表では、2022年度には、前年度に収集していた国際学生からのデータを元にBritish Association of Applied Linguistics学会でポスター発表を行い、優秀ポスターの一つに選出された。 また、研究初年度よりスウェーデンの研究グループとのオンライン研究会を定期的に開催し、収集するデータのすり合 わせ、分析状況などの情報交換を行ってきたが、 2022年度7月にはスウェーデンの共同研究者が来日し、初めて対面での研究会を実施した。2022年度後半には、スウェーデンチームと共同で発表と論文の作成を開始し、2023年度の発表に向けて作業を継続している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究初年度よりコロナの流行により計画より遅いペースでの活動を余儀なくされていたが、修正した計画に沿って概ね活動することができた。年度当初の計画通り進めた部分としては、語学教員のデータ収集と分析を中心にした研究活動とそのポスター発表、文献研究、スウェーデンの研究チームとの研究会開催などが挙げられる。予定通りに進まなかった部分としては、論文の執筆が予想以上にデータ分析と文献研究に時間がかかり、未だ出版に至っていないこと、また現地に赴いてのデータ収集は、新型コロナウィルス感染症流行の影響が引き続きあったため見送ったことがある。またデータ収集の最終段階として予定していたEMIで専門科目を担当している教員へのインタビューは、先方の都合もあって2022年度末には時間の調整がつかず、2023年度の4月から5月にかけて随時実施中である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、上述したEMI専門科目教員へのデータ収集を年度当初に行い、まずは予定していたデータ収集を全て終えることを優先させる。その上で、今まで収集したデータの分析を進めて、EMIを履修している学生を対象とした執筆中の論文の完成を急ぐ。目標として年度前半には完成させて学術雑誌に投稿をする。同時にすでに発表が決まっているBritish Association of Applied Linguistics学会に向けた準備も並行して行い、8月の学会で発表を行う。 また、新型コロナウィルス流行関連の規制緩和が期待されつつあり実際にフィールドに赴く研究活動を徐々に再開する環境が整ったことから、スウェーデンの大学でEMI研究を行っている研究者グループとの情報交換を活発化させる予定である。今のところ、7月にスウェーデンの研究者の来日が決まっているが、日本側からも研究や教育活動のスケジュールを見ながら、スウェーデンでのフィールドワークを行って現地のEMIの理解を深めることを予定している。打ち合わせの機会を利用して、共同執筆中の論文の完成を目指す。
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