研究課題/領域番号 |
20K00905
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 関西大学 (2021-2022) 佛教大学 (2020) |
研究代表者 |
石崎 博志 関西大学, 文学部, 教授 (30301394)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 書面語 / レアリア / パッケージ / 標準規格 / GB / 義務表現 / 禁止表現 / 推奨表現 / 文語 / ポライトネス / 翻訳 / カバー曲 / 文語形態素 / 口頭表現 / くぎり符号 / 正書法 / メタファー / 告知文 / 現代中国語 / 文法 / 構文 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、公的性格の強い各種文書において、その書面語にどのような構文が使われ、どのような構文が使われないのか、また常用される語彙や表現があるのであれば、それはどのようなものであるかを明確にし、書面語で書かれた文書の語彙・語法の共通性と差異を明らかにするものである。 そしてその成果を中国語教育に応用し、現代中国語の書面語の読解力向上を目指した授業に体系的に組み込むための基礎作りを行う。ひいては学習者が中国の公的な性格の強い文書を正確に読解する能力を高め、中国の物品に記入されている事柄を正確に理解することで、中国の法律や社会制度への理解を深めるための一助とする。
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研究実績の概要 |
本年度は、中国の若年層が作文に文語をどのように反映させているかを、公開されている模範作文をもとに分析をした。その成果は、石崎博志(2022)「若年層の作文にみる中国語の文語」『關西大學文學論集』72(1-2):67 として発表している。中国語の文語には、而、于、之、此といった古典中国語に由来する2音節表現が大量に使われており、それらを含む語がどれだけ小中高校生の作文に反映されているかを調査したところ、高校生の作文でその用例が高止まりする傾向が観られた。この結果は、他の文書において中国語の文語がどの程度反映しているかを計量的に観察するための指針になると考えられる。 また、食品表示やそれを根拠づける標準規格(GB)から、食品パッケージに記述されている文語と、GBに書かれる文語表現について、義務・推奨・禁止といった当為表現から分析した。その結果、以下の論文を発表した。石崎博志(2023)「食品表示における文語表現 ──レアリアによる中国語教育の一環として (7) ──」愛知大学中日大辞典編纂所『日中語彙研究』第 12 号279-302 その結果、標準規格(GB)には義務として応や応当が使われ、口語の不要、不能などが使われていないことを指摘し、また禁止表現としては標準規格では不応、不応当、不得が使われ、食品パッケージでは勿、不が典型的に使われていることを指摘した。この結果は、義務や禁止の表現が口語と文語で大きく異なることを明らかにしただけでなく、媒体によって表現方法が大きく異なることも指摘しており、今後の中国語教育に応用されることが期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していた中国での調査ができないことにより、内容として大幅な変更を余儀なくされている。しかし、研究内容を日本において確実に遂行できる方向に変更したことで、何とか業績を積み上げることができている。当初の旅費などの予算がほとんど執行できず、当面必要なものの購入にあてているため、多くの残額がうまれ、これにより1年期間を延長することになった。
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今後の研究の推進方策 |
これまで発表してきた論著に加筆し、また修正をすることで、一冊の学術書として上梓する予定である。すでにおおむね完成し、関西大学出版部で発行されることが決定しており、2023年4月中に原稿を提出する予定である。現時点では中国に渡航することは難しいが、できれば中国に渡航し、情報をアップデートできればと考えている。
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