研究課題/領域番号 |
20K00912
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03010:史学一般関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
高橋 秀樹 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (80236306)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 西洋史 / 西洋古典学 / 古代ギリシア / 古代エジプト / 神話学 / 叙事詩 / イーリアス / 言論文化 / 神話 / 古代民主政 / 王政 / ホメーロス |
研究開始時の研究の概要 |
民主政治の基盤として、政治的社会的意思決定の際に為政者側の主張だけが有効となるのではなく、聴衆からの評価が意思決定に大きな影響を及ぼすオープンディスカッションの文化が発達していることが重要であるとされるが、当該文化が高度に発達しているからといって民主政治が発達するわけではない。本研究では、オープンディスカッションの文化が発達していたことが古代ギリシア文明(民主政治が発達)と古代エジプト文明(専制的君主政治が発達)に注目する。民主主義の理念に適合的な政治文化的枠組が制度化されても、実態として独裁的権力集中に至りうる実態を分析し、それを回避する運用はどのように可能か、歴史的実例に即して考察する。
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研究実績の概要 |
令和5年度は、コロナ感染症の影響が低減したため、海外での調査活動の一部を実施することができた。具体的には、アイルランドの博物館(アイルランド国立博物館(考古学館)内キプロスコレクション)の調査を行った。しかし、キプロスの博物館での調査、同地の遺跡調査、ノルウェーの博物館(コンティキ号博物館及び歴史博物館(オスロ))での調査(以上は、令和2年度に予定しており、コロナ感染症の影響のため実施できなかったもの)、エジプトの考古学博物館、ルクソール博物館、ドイツのペルガモン博物館、旧国立博物館、キプロスの遺跡,博物館での調査が実施できなかった。 他方、テクスト群の分析(オープンディスカッション運用のありかたを対話テクストの分析によって明らかにし、民主政型言論文化と王政型言論文化を比較する)は順調に進んだ。 古代ギリシア語テクストとしては、伝ホメーロス作叙事詩『イーリアス』を中心に取り上げ、論文1本の成果を得た。(高橋秀樹、「アキレウスの戦線復帰をめぐる対話~『イーリアス』第XIX書に見る強制(強請)行為~」、単著、『資料学研究』第21号、2024年、pp.1-23、査読有。)古代エジプト語テクストとしては、『雄弁な農夫の物語』を中心に分析を進めた。 上記と並行して、海上交易路について海洋人類学の成果を踏まえた文化的往還について、先行研究の精査を中心に文献研究を行った。 それぞれの文明に特徴的な思考方法や論理構成について、図像的嗜好や図像的表象と連動して分析する研究活動については、美術史的知見を整理しつつ、図版写真資料等を活用して研究を進めた。 また、昨年度に引き続き、英雄叙事詩にみられる意思貫徹過程の比較研究対象として重要な、日本の『平家物語』について、僉議場面の分析、また現代に残る演誦実態の調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初設定していた3年間の研究期間について、コロナ感染症拡大のために、十分に活動できなかった(特に海外での調査活動)。これを補うため研究期間を延長し、当初の目的を遂行していきたい。
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今後の研究の推進方策 |
令和2~4年度にコロナ感染症のために実施できなかった海外での調査活動(キプロス、ノルウェー、ドイツ、エジプト)を、順次実施していきたい。 現地調査と連携して、遺物・図像史料の分析と文明交流の環境・条件の考察を進める。これらと並行して、文献研究及びテクスト群の分析を進める。令和5年度 は、古代ギリシア語テクストについては『イーリアス』『オデュッセイア―』を分析対象とし、古代エジプト語テクストについては、これまで扱ってきた分析成 果をまとめたい。 また、言論文化に関する新たな比較分析対象として日本の『平家物語』を取り上げていきたい。 令和6年度中に少なくとも1本の論文(査読有)を発表したい。
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