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「バターン行進」のj実相解明及び英米元連合軍捕虜の記憶・対日意識の継承比較

研究課題

研究課題/領域番号 20K00916
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分03010:史学一般関連
研究機関岡山大学

研究代表者

中尾 知代  岡山大学, 社会文化科学学域, 准教授 (40207717)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード第二次世界大戦 / 連合軍捕虜 / バターン / 死の行進 / フィリピン・スカウツ / 戦争の記憶継承 / 日本人のバターン観 / 日本イメージ / 捕虜 / 記憶 / 対日意識
研究開始時の研究の概要

アメリカに保存されている、「バターン戦」経験者の日本兵たちのオーラルヒストリーと記録文書を用いて「バターン行進」が起こるまでの日本兵側の心情や実情を追い、「バターン死の行進」がどのように起こったのか理由を解明し史的事実を明らかにする。また日本のインターネットを含めた対バターンに関する異議申し立てなどの言説を整理する。さらに、英米の元捕虜・民間人抑留者の団体の会合やイヴェントに参与観察し、個々人にオーラルヒストリー調査を行い、戦後75周年から80周年の間の対日意識の変容と継承を観察し分析する。これらの内容をつきあわせて、相互理解の方法を考案し、相互理解と事実認識に基づいた和解の可能性を探求する。

研究実績の概要

2023年度の実績であるが、まず、アメリカのバターン・コレヒドール防衛者記念の会(ADBCメモリアルソサエティ)の年次総会のために渡米・参与観察し、孫世代までのバターン戦線生存者の記憶を記録した。また、英国のFEPOW HISTORY RESEARCH SOCIETYの会議に出席し、元連合軍捕虜たちにかんする多くの研究調査内容を聴く機会を得た。
バターン・コレヒドール防衛者の会においては、フィリピンからバターン行進に参加させられたフィリピン人市民・フィリピンスカウツに関する発表をきき、学びを深めた。

研究成果の発表としては、ブラジル・リオで行われたIOHA(国際オーラル・ヒストリー学会)にて発表し、これまでの調査で得た、トラウマを受けた元捕虜たちの映像を会議でみせ、公開における倫理性について議論を行った。IOHAの結果については、日本オーラル・ヒストリー学会(JOHA)第21回大会(沖縄)において、日本人の発表者たちがいかにIOHAにおいて活動したか、活動内容を申請者も加わって共同発表を行った。昨年からのJOHA/IOHAの活動により、JOHAの理事に選出され、2年間研究活動理事を務める事になった。バターン戦線の写真資料にかんしては、平和祈念資料館において資料の存在を確認した。さらに、夏には、日本史学会の招きを受け、京都の「平和のための戦争展」において、連合軍元捕虜とオーラル・ヒストリーに関して講演を行い、日本史学会の会報に報告書を掲載した。この講演の内容は、現在、文章にして、詳しい報告内容を掲載する予定である。

2023年度に予定していた、バターンでの戦いにおける日本人参加者の記録の購入と分析については、マッカーサーミュージアムの都合で資料の複写が遅れたため、2024年度に新たに複写資料をコピーを購入して、分析する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ下の状況において、渡米調査が制限された影響がまだ残っており、最初に計画したバターンで戦った日本兵士の証言の分析が遅れている。
また、円安の影響により海外調査・渡英・渡米や海外からの資料購入が予定より高価になっている。ただ、貴重な新たな資料が発見された部分もある。

この遅れは2024年度に取り戻す予定であり、史料の複写もすでに現在終わっており、2024年度の5月に届く予定となっている。本年は、バターンにかんする日本側の見解と米国側の見解、および表象の照合をする予定である。

今後の研究の推進方策

2024年度に取り戻す予定であり、史料の複写もすでにマッカーサーミュージアムにおいて現在終わっており、2024年度の5月に届く予定となっている。本年は、バターンにかんする日本側の見解と米国側の見解、およびそれぞれの国におけるバターンの表象を照合し、バターンの行進の実態を学術的にまとめる予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] 第二次大戦の残した課題ー連合軍元捕虜と家族の心の傷2023

    • 著者名/発表者名
      中尾知代・落合優翼
    • 雑誌名

      日本史研究

      巻: 736号 ページ: 60-61

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] On the Ethical Problem of the oral history of the Traumatized POWs2023

    • 著者名/発表者名
      TOMOYO NAKAO
    • 学会等名
      International Oral History Association
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 第二次大戦の残した課題ー連合軍元捕虜と家族の心の傷2023

    • 著者名/発表者名
      中尾知代
    • 学会等名
      日本史研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] IOHAのリオ大会の発表について2023

    • 著者名/発表者名
      山本恵里子・小黒純・中尾知代・竹田響・モウラ・フェルナンダ・加藤里織
    • 学会等名
      日本オーラル・ヒストリー学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] The Void of the Voice of the memories of WWII in Japan and Holland2023

    • 著者名/発表者名
      TOMOYO NAKAO
    • 学会等名
      Dutch-Japanese Approaches Psycho-trauma: Similarities and differences
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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