研究課題/領域番号 |
20K00917
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03010:史学一般関連
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研究機関 | 京都外国語大学 (2023) 岩手県立大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
黒岩 幸子 京都外国語大学, 外国語学部, 教授 (80305317)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 日ロ領土問題 / 日ソ戦争 / 千島列島 / ウクライナ戦争 / 千島列島近現代史 / クリル諸島 / 北方領土問題 / 北千島 / 南千島 / 戦争記憶 / 北方領土 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、1)1930年代末から急速に軍事化された千島列島およびその周辺海域の日本軍、ソ連軍、米軍の動きを踏まえて、千島占領とその後の列島内の状況を明らかにする。次に、2)千島に関する戦時の諸事実が日本とロシアでどのように記憶(あるいは忘却)されたかを分析して、その差異を示す。さらに、3)問題当事者が居住する地域(日本では北海道東岸、ロシアではサハリン州)の戦争記憶と領土意識に焦点を当てつつ、日ロ首脳が主導する近年の領土交渉の問題点を検証する。
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研究実績の概要 |
第二次世界大戦末期に始まった日ソ戦争を原因として生じた現在まで未解決の日ロ領土問題(「北方領土問題」)は、主に国際法、国際政治、日ソ/日ロ外交などの視点から研究されてきたが、千島列島における戦争実態、その後のソ連/ロシアによる占領統治、現代の戦争記憶の問題を扱ったものは極端に少ない。 かかる問題意識から始めた本研究であるが、開始当初から2年間はコロナ禍により、その後はウクライナ戦争により、予定していた内外の現地調査がすべてできなくなった。研究最終年度の2023年度は、戦争記憶の日露領土問題への影響を研究する予定だったが、実際には、ウクライナ戦争の影響をフォローすることで精一杯だった。 2023年10月に国境地域研究センターのセミナーに参加して北海道東岸(羅臼、中標津、標津、根室の3町1市)で領土問題当事者の声や行政の対応を知ることができた。同年6月には衆議院沖縄北方問題特別委員会で、参考人として意見陳述を行った。また、2024年1月の京都外大国際言語文化学会シンポジウムでは、パネリストとしてウクライナ戦争と日ロ領土問題の関連性について発言した。そのほか、ユーラシア大陸の東端と西端の領土問題という視点から現状を明らかにすることを目指す論文を発表した。 予期せぬウクライナ戦争によって、研究計画の根幹が揺らいだが、ウクライナ戦争(これもロシアとウクライナの領土問題に端を発する)と日ロ領土問題の比較というアクチュアルな視点を得て、次年度に繋がる研究続行の基盤ができたと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年からのコロナ禍と2022年からのウクライナ戦争によって、すべての国内外の現地調査ができなくなった。現在ようやく多少は動けるようになったところだ。国内の文献調査に絞って研究を継続してきたが、海外に出られないことやロシア当局による国際的研究に対する圧力が大きなマイナス要因だ。ただし、研究期間を1年延長することと、ロシア訪問も可能になっていること、本研究の問題設定をウクライナ戦争を視野に入れたものに拡大することで、今後は意味のある研究を継続できると思う。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間を延長して得た2024年度については、夏に中央アジア(カザフとウズベキスタン)を訪問すること、北大スラブ・ユーラシア研究センターでの文献調査、根室での現地調査などを組み込んで、これまでの遅れを取り戻したい。
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