研究課題/領域番号 |
20K00929
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03010:史学一般関連
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
鈴木 英明 国立民族学博物館, グローバル現象研究部, 准教授 (80626317)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 奴隷交易 / ペルシア湾 / 労働史 / 奴隷制 / 奴隷廃止 / 奴隷 / インド洋西海域世界 / 隷属 / 真珠 / 世界商品 / 拘束 / 奴隷制廃止 / 民族誌 / グローバルヒストリー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、奴隷解放調書を総合的に用い、20世紀前半のペルシア湾における奴隷たちの「生」を民族誌的に明らかにすることを試みる。各証言者の性別や民族、出身地、奴隷化の経緯、職業、婚姻関係、奴隷としての売買の経験とその背景といった証言から抽出できる要素を取り出して証言群全体として得られる情報を明らかにし、それに時間軸を加味しながら、地域史的文脈、世界史的文脈にその全体像を位置づけ、それを個々の証言に立ち戻ることで得られる具体性と突き合わせる。これによって、ミクロな奴隷たちの「生」とマクロな動態とがいかに相互影響的であったのかが具体的に明らかする。
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研究実績の概要 |
本年度は、5月、日本アフリカ学会第59回大会において、「ザンジバルのもう一つのコスモポリタン―奴隷交易とシャンバ」を報告し、6月、8th IMHA International Congress of Maritime History(ポルト、ポルトガル)において、"Maritime territoriality in the Nineteenth Century Indian and the Pacific Oceans"と題するセッションをオーガナイズし、"Modernity in Maritime Territoriality: Introduction"と題する報告を行った。また、6月には大阪大学歴史教育研究会第144回例会において「インド洋西海域の奴隷交易廃絶活動再考―トランスインペリアル・ヒストリーの観点から―」を報告し、7月に19th World Economic History Congress(パリ、フランス)で"Connecting resources: commodities and trade goods in the shaping of early modern Atlantic economy"と題するセッションにおいてコメントを行った。8月には2022年度第1回「近現代における「不自由な」労働者を再考する―18-20世紀の英国・英帝国を中心に」研究会で、「奴隷廃止の世界史から『不自由な』労働者を再考する」を報告した。これらの活動によって、本研究テーマをより多角的に捉える視座を獲得できた。 また、永原陽子編『アフリカ諸地域 ~20世紀』(岩波講座世界歴史)に「沿岸部スワヒリ世界の形成と展開」を寄稿した。加えて、「20世紀前半ペルシア湾における「アフリカ人」とは誰か―奴隷解放調書に見られる奇妙な隔たりを手掛かりに―」『上智アジア学』40(2022):49-69が掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は研究計画の折り返し地点にあたり、主として口頭による報告が研究業績として挙がった。それらについては、当該テーマをより広い文脈の中で位置づける大きな示唆を得た。それらも踏まえながら執筆した幾つかの論文については、本年度に刊行されたもののほか、現在、審査を待ったり、印刷中である。以上を踏まえると、進捗状況については、(2)おおむね順調に進展しているに該当すると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降については、当初の計画に則って研究を実施する。
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