研究課題/領域番号 |
20K00934
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
|
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
多和田 雅保 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (10528392)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 近世 / 地方都市 / 都市=農村関係 / 町共同体 / 身分 / 自然環境 / 自治 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は信濃国(現長野県)と相模国(現神奈川県中西部)をフィールドとして、近世を 通じて当該地域に多く存在した中小規模の都市を、地方都市として位置づけ、それぞれの都市を構成する自治の最小単位であった町共同体に注目し、その歴史的性格を解明することを目的とする。具体的には、(ア)町と商業及び商人との関係を中心に、(イ)町と町を取り巻く自然環境との関わり、 (ウ)町の自治のあり方、(エ)それぞれ異なる地域特性を持つ都市における町の固有性の4点について、事例分析を基礎として解明を行う。そして、以上を総合化して、近世の地方都市 における町共同体の性格を明らかにしようとするものである。
|
研究実績の概要 |
本研究を遂行するうえで、研究対象とする地域(神奈川県域、長野県小布施町域、同中野市域、同飯田市域など)における歴史資料の調査研究が重要な意味を持つ。今年度、新型コロナウイルス感染症の影響はかなり減じたとはいえ、現地の人々の協力を必要とすることもあって、本格的な調査の遂行には至らず、年度内に調査を行うことができたのは座間市立図書館と飯田市歴史研究所の二か所にとどまった。前者では近世から近代にかけての座間地域の商業を中心とする生業、交通、宿場町の様子に関する歴史情報を得て研究を進めた。後者では幕末維新期を中心とする飯田町の有力町人の書簡群、および、飯田市遠山地区に存在した町場である和田町の商人のもとにもたらされた商業関係史料群について撮影を行った。 現地調査が十分に行えなかった代替措置として、信州関連、都市史関連、そして隣接科学として都市社会学に関する書籍を研究して、理論的考察を深めたが、それでも飯田市域を対象とする近世から近現代にかけての都市の社会構造、都市における共同体の性格、そして都市と周辺農村との関係について相当程度研究を進展させることができた。これについては2023年度には単著としてまとめ刊行する見通しである。また、長野県中野市域において、旧中野村(在郷町)と周辺農村に展開した香具師集団の構造解明を行い、彼ら(一部女性を含む)が当該地帯における小間物・荒物・菓子を中心とする日用品の売買に従事する様相を解明することができた。その成果は2023年度、共編著のなかで公表する予定である。さらに、本研究計画に強く関係する内容として近世の身分制と社会集団の研究を進め、2022年10月に開催した部落問題研究者全国集会において口頭発表を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究計画は研究対象とする現地(とくに長野県小布施町域、中野市域、飯田市域)における歴史資料の調査研究を行うことが重要な意味を持つが、新型コロナウイルス感染症の影響はかなり減じたとはいえ、いまだ本格的な調査を遂行できるには至らなかったため。
|
今後の研究の推進方策 |
研究費の執行を一部次年度に持ち越した。2023年度は長野県小布施町域と飯田市域に重点を置き、歴史資料調査を本格的に再開し、歴史資料情報の収集に努め、またかねてから準備を進めていた飯田町と周辺農村との関係について論じた単著を刊行するため、さらに作業を継続する予定である。
|